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2006 年04 月06 日

久しぶりの刑事事件

最近刑事事件は滅多に受けない。申し訳ないが、調停官をしているということで当番弁護士も国選事件の受任もお断りしている。しかし、顧問先から懇請されて、どうしても受けざるを得ない刑事事件もある。

思い起こせば、弁護士に成り立ての頃は、よく刑事事件を扱った。当番弁護士も頑張ってやっていたし、国選でも無罪を争って1年以上弁護をしていたこともあった。でも、オウム事件以来、厳罰化の風潮が富みに強まってきた。弁護活動をしてもむなしくなることが多くなった。

久しぶりに担当した刑事事件でも、私は途中から関与したのだが、私が関与する前でも、自白事件なのに、第1回公判終了後の保釈も認めない、追起訴完了後の保釈も認めない。私がいわば身元保証人的に弁護人を引き受けて、追起訴公判で罪状を認めたのに、それでも保釈を認めない。検察官の保釈に対する求意見を見たら、「絶対的不相当」と書いてある。被告人はC型肝炎だし、事件の後始末もあるし、服役する前に身辺整理や病気療養もさせてやりたいし、保釈ぐらい認めてやってもいいじゃないかと思える事件だった。少なくともオウム事件以前は保釈が認められていたような事件だ。どうして保釈しないんだと思って、高裁に抗告までしたが、高裁でも保釈は却下された。保釈がだめなら、せめて病気療養のための交流執行停止をして、病院で治療させてやってくれということで勾留執行停止申立までしたが、それもだめだという。何故なんだ?と思っていたら、最近になって別件で再逮捕して身柄を移監された。それで謎が解けた。それならそれと最初から言ってくれたら、抗告やら保釈申請やらいろいろしなかったのに。と思うと同時に、それは完全に事件単位の原則違反、余罪考慮だろうと思う。刑事訴訟の原則なんか、実務では全く無視されている。そう思うと、また刑事事件はむなしくなってきた。

投稿者:ゆかわat 22 :31| 日記 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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