<< 前のエントリ |メイン | 次のエントリ >>
2006 年12 月27 日

自動車の燃費規制

アップし忘れていたので、ちょっと古いネタ。

 5日の日経朝刊に「経済産業省と国土交通省は2015年度までに、自動車の燃費を現在より約2割改善する新基準を自動車メーカーに義務付ける方針だ」という記事が載っていた。京都議定書を実効するために燃費規制を行い、地球温暖化対策を進めるのは正当な目的のある政策だ。

 ただ、ちょっとひっかかったのは、「燃費規制は1999年度に導入された。基準を達成できないと政府はメーカーに是正を勧告。それでも改善しなければメーカーや車種を消費者に公表するほか、罰金を科する場合もある。」という点だ。
 
 燃費規制の実効性を確保するために、行政指導(勧告)や公表や罰金を定めるのは理解できるが、その法的根拠は何だろうか。少なくとも罰金を科するためには、法律が必要だ。しかし、残念なことに、新聞紙上にはその法的根拠たる法律は明示されていなかった。
 しかも、「世界で最も厳しい」燃費規制を達成しようと思えば、その技術も高いものが要求されようし、投資も絶大なものが必要となるだろう。それだけのことをするためには、よほどの資金力・技術力のある大企業でないと不可能だろう。大企業にしか自動車の生産を認めないというのが経済活動の自由の規制として合理的なのだろうか。
 仮にそれが合理的だとしても、、氏名の公表によって燃費基準の達成できない自動車の市場からの排除を消費者に委ねるのが無難なのではないか。それとも、地球温暖化防止は、罰金を課してまで実現しなければならない緊喫の課題なのだろうか。仮に緊喫の課題だとしても、「世界一厳しい」燃費基準が地球温暖化対策に貢献する程度(政策目的を実現する方法の相当性)はそれほど大きいのだろうか。

 ふと東京に向かう新幹線の中で考えた。

投稿者:ゆかわat 04 :45| ビジネス | コメント(0 )

◆この記事へのコメント:

※必須