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2007 年10 月21 日

区画整理再開発対策全国研究集会

 私は、石川県津幡町や埼玉県宮代町の組合施行の区画整理や兵庫県淡路市の公共団体施行の区画整理について仮換地指定処分取消訴訟の代理人をしている。その関係で、20・21日と、神奈川県伊東市で行われた区画整理再開発対策全国研究集会に参加してきた。参加者数は100名以上はいた。会場内には全国各地から集まった人々の区画整理・再開発に対する怒りや涙があふれていた。

 仮換地で換地のほとんどが決定するのに、施行者は他の地権者がどのような仮換地を受けたのか全く明らかにしない。しかし、全体の換地の従前従後の状況が分からないと、自分の換地が正当なのかどうかわからない。中には、反対しているために換地が最後に回されてL字型の換地にされた人や、理事者だけが良い所を優先的に換地されているケースもある。ところが、施工者は個人情報保護をたてに換地の全体図は示さない。どうして他の地権者の仮換地を知ることが個人情報保護に反するのか。そもそも換地計画の縦覧は、誰もが、換地の全体図を見ることができるのだから、仮換地でもできないはずがないのではないか。

 そもそも翻って、仮換地も換地計画に基づかなければならない。法律にはそう書いてある。ところが、それがいらないと言ったのは、最高裁昭和60年判決だ。しかし、そもそも当該事案では換地設計の全体図を会場に貼りだし、個別の意見を受け付けていたのであって、60年判決を一般化するのは誤りだ。そればかりではない。60年判決の前提は、換地計画には清算金を定めなければならないが、清算金は工事が完了してからでしか確定しないから仮換地の段階で換地計画を定めるのは実務上不可能だという事情があった。しかし、平成11年に清算金の定めのない換地計画を定めることができるようになった。ならば、法律の建前どおり、換地計画(清算金の定めのない)に基づく仮換地をすべきだ。そうすれば、全体の換地計画を事前に縦覧して横の照応も考慮して正しい仮換地ができる。
 縦覧するということになれば、もう個人情報保護を理由に公開を拒否することもできなくなる。
 実際、仮換地の時点でも、換地設計を換地計画に準じてその全部を縦覧している自治体も多数ある。その自治体では意見書も受け付けてそれに基づく計画の修正もしている。
 ならば、皆で声を大にして、施行者に対して、仮換地にあたっても換地計画を縦覧するように求めよう。少なくとも換地設計はその全体を権利者の縦覧に供するべきだ。
 そんな意思確認がなされた集会だった。REI191013


投稿者:ゆかわat 20 :53| ビジネス | コメント(0 )

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