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2009 年04 月22 日

住基ネット不参加是正へ立法措置

 今朝の日経新聞に、住民基本台帳ネットワークシステムへの接続を拒否している自治体に対し総務相が提訴できるようにしたり、当該自治体の住民投票を経た特別法を制定する立法措置を総務省が検討しているとの記事が載っていた。

 住基ネットへの不参加を国が好ましく思っていないのは理解できるが、これは国と自治体との関係を対等平等な関係ととらえる地方分権の法体系を過去の上下関係に戻す悪法だ。

 本来、住民基本台帳に係る事務は国の事務ではなく、自治体固有の事務である(自治事務)。住基ネットはそのお手伝い・援助をする技術的システムにすぎない。国が自治体の義務の履行を強制する代執行制度は国の事務(法定受託事務)に限られている(それにしても、国の出先機関が行う事務ではなく、自治体が処理することとされている事務であるから、それを国が当該自治体に義務づける訴えを提起して裁判所がそれを命じるというのは憲法違反の疑いがある。)。したがって、住基ネットへの参加を強制するのは地方分権の法体系に反するし、憲法違反だ。それも、本来、国にあって地方分権を推進すべき立場にある総務省が地方分権を踏みにじる立法措置を検討するというのは、今の総務相の個性かもしれないが、悪代官・人治主義の復活であり許されない。court09410


投稿者:ゆかわat 22 :54| ビジネス | コメント(0 )

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