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2007 年7 月30 日

日本もまだ捨てたもんじゃない

 参院選の結果を見て、日本もまだ大丈夫と思った。圧倒的な多数で数々の悪法を作ってきた自民党に厳しい審判が下った。論議を尽くさずに自分の意見を通してきた報いである。国民が納得のいく過程を踏まない政治は恐ろしい。自民党には反省してもらいたい。日本のこれまでの繁栄を築いてきた第1党として評価はできるが、未来へ向けた舵取りとして危ういものがある。私は、一番の敗因は憲法改正を押し出したことにあると思う。憲法9条は我が国の宝物であることを認識すべきだ。来るべき超高齢化社会に向けて、戦争放棄・武力放棄は当然のことではないか。高負担、高福祉国家こそが日本の目指すべき道なのだ。過去60年あまり我が国が戦争に巻き込まれなかったのはまさしく憲法9条があったからこそなのだ。いかに、現実とかけ離れようとも、憲法が言う高邁な理想を変えることは許されない。日本はこのすばらしい憲法を世界各国に伝え、それぞれの国が憲法9条を採用するように働きかけるべきだ。それが、これから超高齢化社会を迎える我が国の責務だと思う。 

投稿者:ドクターヒッポ
at 00 :34 | 日記

2007 年7 月29 日

石川県医師会百周年記念コンサートと講演会

 昨日で石川県医師会は百周年を迎えたそうです。それを記念して、県立音楽堂でコンサートと講演会がありました。家内と2人で出席しました。県内の医療従事者だけの閉鎖的な会でしたが、会場はほぼ満席でした。コンサートはオーケストラアンサンブル金沢の美しい調べで盛り上がりました。講演会は五木寛之氏が現代社会が病んでいること。その中で生き抜くには、しなやかな心を持つこと。鬱の気分になりがちな弱い心こそ生き抜くために必要なしなやかな心に大切なこと。強い心だけを持とうとすれば、ストレスに耐え切れずポッキリと折れてしまうこと。プラス思考一辺倒ではなくマイナスのイメージのある、「鬱」 その中に包含される「憂・愁」という感情を大切にしていくこと。こういった内容をユーモアをまじえ、笑いを誘いながら、語って下さいました。

投稿者:ドクターヒッポ
at 17 :44 | 日記

2007 年7 月16 日

悩ましき日本脳炎ワクチン

 山梨県の中学生が日本脳炎ワクチンの副作用で寝たきりの状態になったのがきっかけで、2005年5月に厚生労働省の通達を受け日本脳炎の定期接種は事実上中止の状態です。副作用の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は70〜200万回に1回の頻度で起こります。ところが、副作用のより少ない新型ワクチンの承認が大幅に遅れ早くとも2年後になるということです。昨年9月に熊本県で3歳児が発病しました。5歳以下の患者さんが出たのは15年ぶりのことです。国としては一刻も早く定期接種を再開したいのにワクチンがない状態になってしまいました。旧型のワクチンは製造体制がなく、在庫量も限られています。このまま待てばよいのか、保健所に申請して旧型ワクチンを接種した方がよいのか悩ましい限りです。接種を希望されも旧型ワクチンしかなく、しかも入荷が困難な状況ですのですぐに接種はできません。
 日本脳炎は居住地域や年齢などの要因で感染のリスクが異なります。東日本よりも西日本、都市部よりも農村地帯の方が高いリスクです。また、高齢者や乳幼児は要注意です。日本脳炎の感染源は蚊です。ヒトからヒトへの感染はありません。一般的な注意として戸外へ出かけるときには、念のためできる限り長袖、長ズボンを身につける、露出している皮膚への蚊除け剤の使用、室内での蚊取り線香の使用、網戸や蚊帳(かや)の使用など、ウイルスを持った蚊に刺されないよう十分な注意をすることをお勧めします。蚊の発生を減らすためには、住居周辺の水溜まりを作らないことに心がけることが重要です。また、側溝等に落ち葉や土砂がたまり、流れが滞らないように定期的に清掃することも有効と考えられています。
 日本脳炎ワクチンについてのお問い合わせが増えています。正直に言って私自身、こうしなさいとは言えないのです。それぞれの状況下に応じて対処していくしかありません。小児科の先生方の間でも意見が分かれています。
 

 

投稿者:ドクターヒッポ
at 23 :25 | 日記

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