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2008年5月30日

まどろみ

お芝居を観てきました。
M&Oplays produce「まどろみ」です。
私は普段、パンフレットは買わないのですが、今回は購入しました。
購入せずにはいられないほど難しく、面白い芝居でした。
観終わった後、いつもの如くこの観劇に誘ってくれた友人と語らずにはいられない内容だったのです。これは一人では消化しきれません。誰かの手助けが必要です。

正直なところ、作家の倉持裕さんに解説をお願いしたいところです。
もっとも彼は、観客に種明かしをする気などなさそうなのですが(笑)
そんな印象をパンフレットから受けました。

このお芝居は難しいです。私にはあらすじすら満足に語れません。
どういった内容の話なのか、そこから多岐に想像することが可能だからです。
そんなわけで、私が出した結論を述べるしかないのですが、
観ていない方にはちんぷんかんぷんな内容になること請け合いなので、あしらからずご了承ください。

まず第一に、零児とは一体何者なのか。
ただの不眠症の男なのか、
多重人格のホスト人格なのか、
多重人格のつくられた人格なのか、
色々考えられるのですが、私は「ただの浮気した男」なのだと考えました。

そして、とつみと日達さん。
三年前突然失踪した一輝に想いを寄せていたとつみと、彼の恋人であった日達さん。二人は零児と一輝の関係をどう考えていたのか。
他人だと思っていたのか、
同一人物だと思っていたのか、
それとも別人格だと思っていたのか。
とつみさんに関しては答えを出すのは難しいところですが、日達さんは別人格だと思っていたのではないでしょうか。
ちなみに私は、二人が知る医者である一輝は零児とは無関係であると思います。

芽里子さんが一夜を共にしたのは誰だったのか。
一輝だったのか、
多重人格者である零児の別人格だったのか、
はたまた三人目のそっくりさんだったのか。
私は酔った零児だったのだと思います。

零児ととつみが新宿のエスカレーターですれ違ったのは、
一輝だったのか、別のそっくりさんだったのか。
これはパンフレットを見る限り、どうもドッペルゲンガーだったようですね。
でもとつみは一輝なのではないかと思ったかもしれない。
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投稿者:とうだat 06:32 | 観劇 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年11月29日

欲望という名の電車

それを本物の愛と信じた時から、その人生は狂っていったのかも知れない。

たった一人を崇拝し、結婚という名の契りも交わしたのに、彼は男を愛する人だった。
裏切られたという思いと、彼を救えなかったという驕り。
失ったものを補うように、男たちを渡り歩いているうちに、家も職も失って、彼女はとうとう疲れ果てる。

誰も知らない土地で、もう一度やり直そう。安らぎを求めて必死に自分を繕ってみるが、過去は彼女を逃がしはしなかった。

掴んだと思った幸せは、水のように零れ落ち、泡のように消えていく。
身体を売っていた女は、肉体も心も他者にいいようにされて当然なのだろうか。
そんなことはあるはずないのに、彼女に訪れる悲劇は容赦なかった。

――逃げ込んだ先は狂気。彼女は白い衣装に身を包んでいた。


そんな感じのお芝居でした。


タクミくんシリーズの一節ではないけれど、
狂うことで、幸せになれる人間は、確かにいる。
彼女ブランチもその一人なのだろう。

芝居の最後にお迎えに来たあの男は、ちらしによると医師らしい。
私はてっきり死神の象徴なのかと思っていた。
ちなみに見知らぬ男は絶望の象徴かと。
決して楽しい話ではないけれど、とても引き込まれる、いい舞台でした。

ミッチ役の伊達暁さんがとても気になりました。
てか、すごくいい声。顔も好みの系列で、いい感じでしたよ~。
スタンリー役は北村有起哉さん。
ちらしを見ながら今どこかで見た顔だなぁと思っていたら、SPのテロリストですね!あぁ、彼か!!ってな感じですわ。北村和夫さんのご子息だということも驚きだったのですが、こうして見ると確かにどことなく似ていますね。
ステラ役の小島聖さんも可愛かったです。お姉さん思いなところがよく出ていたと思います。
そしてブランチ役の篠井英介さん。本当に見事でした。表現のしようがないくらい。彼に性別は関係ないですね。ひとつの存在として確立されていますね。さすがです。

楽しい夜でしたよ~。

投稿者:とうだat 06:37 | 観劇 | コメント(2) | トラックバック(0)

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