みさと村だより

　この夏から再開した楽器の練習だが、やっているうちに、どうも、一部の音の響きがおかしいような気がしてきた。
　楽器を買った店は、金沢にあって、説明書には、買って１年後ぐらいに、無料調整をしてくれることになっている。もう、１５年ほど経っているので、無料というわけにはいかないだろうが、一度見てもらうのがいいだろうと思い、たまたま平日休みの今日、出かけることにした。
　案内では、森本インターから、金沢市の郊外に向かう道を進むことになっている。途中、兼六園や金沢駅方面の案内標識があるが、どうしてここからそこへ行けるのか、地理感がつかめない。道沿いには、いわゆる郊外店がずらりと軒を並べて、賑わっている。
　ナビを頼りに楽器店へ行くと、それは、ビルの２階だった。それが、楽器店以外のテナントが空っぽな感じで、駐車場が見当たらない。仕方なく道路向かいのスーパーの駐車場を使って車を止め、店に入ってみた。
　楽器店と言うよりは工房である。かんたんな応接セットがあって、楽器がずらりと並んだショーケースがあるだけの簡素な店だった。
　楽器を出して、調子を見てほしいと言うと、すぐに弾いてみて、「ちょっと調整が必要だけど、全然問題ないですよ。」と言われた。そして、「あまり弾いてないでしょう。」とも言われた。
　調整が終わって楽器ををもってきたときに、店の人が、この楽器には覚えがあると言って、売ったときのことを話された。それにはびっくりした。楽器の先生を通じて２台売ったことも、どんな人に売ったかということも、覚えていた。そして、この楽器は、もっといい音がするはずだけどな。とも言われた。
　もしかしたら、値段以上にいい楽器なのかもしれないと思い、がんばらなくてはという気持ちにさせられた。

　せっかく金沢へ来たのだからとどこかに立ち寄ろうと思ったが、月曜日なので、美術館は休みだ。湯涌温泉の江戸村に立ち寄って帰った。