<< 前のエントリ | メイン | 次のエントリ >>
2012 年03 月06 日

後出しじゃんけん

 「後出しじゃんけん」は誰が見ても「インチキだ」と攻めるものだろう。
 でも、なんだか有識者だとか、事後解説みたいなことが、さも「実しやか」に行われて、挙って「悪者や犯人探しとその責任追及」に貴重な時間を浪費しているのではないか。
 原発事故報告やAIJの監督そして、いろんなところで事後開かれる「有識者会議」などは、どれもみんな「後出しじゃんけん」で、言ってることは「正しい」事ばかりだが、果たして「その時」そんなことが出来たのだろうか。
 確かに「陣頭指揮」として国政を投げ出して現地へ行った総理大臣の行為が正しかったかどうかは、意見が分かれるのではないだろうか。
 事故が起きてから、それこそ「泥縄式」な監査をしてみても、見つかっても見つからなくても救われない。
 このテーマを思いついた時点では、勝手な憶測だった「どうせOBが寄って集って人の金を勝手に使ったのだろう」との思いは、最近になって現実化してきている。
 こんな「後出しじゃんけん」ですぐに思い出すのは、在職中に、お世話になり、尊敬もしていたI部長と企画して始めた「システム建設評価会議」である。
 目的は「色々多難なこともあっただろうが、兎も角完遂したのだから、その苦労を今後のシステム建設に生かして、そのPM(Project Manager)の苦労を讃えよう」と言うことだった。
 最初の2回までは、トップの締めの言葉で「よくやった、お疲れ様でした、そしてありがとう」と言う言葉で終わり、I部長と乾杯した物だった。
 ところが、1回所用で休んだ4回目では、全く雰囲気が違っていた。
 「だったらどうしてこんな工夫をしなかったのだ。連絡や相談が遅すぎたのではないか」など等、叱声ばかりが乱れ飛んだのである。
 結果としては、その回でその会議は止めることになった。
 4回目のPMは私の1期後輩で、よく知っている人間だったが、彼の言葉が今でも耳に残っている。
 「その場にいて一番よく知っている私が、責任を持って判断した。報告して、会議を開いて、結論が出るまで待っている暇は無かったのです。結果として期日までにシステムが完成したのは、私の判断が正しかったと思っています」だった。
 後出しじゃんけんで遊んで、犯人探しをしているほど、現実には時間は待ってくれないのである。
 I部長との乾杯の席には、勿論そのPM他数名が参加していた。

投稿者:つねちゃん
at 10 :12| 政治への注文 | コメント(0 )

◆この記事へのコメント:

※必須