2012 年06 月19 日
古い箪笥と新しい箪笥
そろそろ母の一周忌であり、いろいろな物を片付けつつある。そんな中で、箪笥はやはり大物で、母が嫁いできた時の「桐の箪笥」は、小振りでもあったので、「手で」壊して、焼却処分することにした。
ところが、これが中々手ごわい。
いろんなところに金具が付いていて、それが三方にしっかりと固定されているので、色々手を尽くしたが、結局電動鋸をレンタルしてきて対処した。
ところが、その手の込んだ造りに感心してしまった。
底板も本物の桐を使っており、勿論そんなに広い物は無いのだから、板を木の釘で接いである。それでもしっかりと「平ら」になっている。
色は剥げており、所々何故か穴などがあいているのだが、焼却して判ったけれど、ベニヤ板などではなく、本物の「木」で作ってあったことだ。
片や、まだ見た目には新しく「新品」とまでは言えなくても、普及品としてなら充分価値あるように見えた箪笥で、塗りもしっかりしているし、抽斗を閉めれば、他の抽斗が開くほどの密閉さも保持されている物だった。
ところが、入っていた着物などを取り出してみると、底板は綺麗な「柾」の板、の様に見えた。
ところが、破壊してみると、ナントそれはベニヤ板にシールが張ってある代物だった。
一番下の抽斗の底板は、そんなに湿気がある部屋でもなかったのだが、湿気で半分抜け落ちそうになっていた。
留めてあるのは、接着剤だが、それも20年以上も使っていると剥がれて来ているし、いろんな形の「鉄釘」が使ってあるので、当然湿気で錆が出ていて脆くなっている。外から見える所には使ってないけれど、それ以外のところでは赤錆が全くみっともない。
小型の物は、それで処分したが、大型の物は結局廃品収集業者にお願いした。
これから箪笥などを買うことは無いだろうけれど、昔のような品物を求めるとすれば、とても高価な物になるだろう。
「本物を見極める」と言うことの意味を今更知ったような気持ちであった。
投稿者:つねちゃん
at 08 :36| 日記
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