2012 年12 月11 日
小沢昭一さんが亡くなった
元来、というと言葉がおかしいかも知れないが、私は「お芝居」というものが好きではない方だと思っている。ところが、確か杉並の単身寮に住んでいた時、近くの吉祥寺へ出かけたときに、何となくフラフラと入った劇場で芝居を観た。
その時に主演かどうかは判らないけれど、出演されていたのが、小沢昭一さんだった。
その前後に、「エロ事師」という映画は本来の助平根性丸出しで積極的に観に行ったことがあるので、その語り口や声ははっきりと覚えているほど好きなものだったので、すぐに分かった。
とはいうものの、芸能人や芸人・役者さん付き合うなどという経験はないし、そのきっかけなどは全くなかった。
そんなある日、渋谷の駅前、ご存じ「ハチ公前」(今では場所も変わったと聞くが)でベンチというより、生け垣の縁に座ってタバコを吸っていたのだが、その煙草を捨てようと足もとに捨てて踏みつぶそうとしていた時に「こちらへどうぞ」とばかりに確か新聞紙を濡らしたものを受け皿の様にして差し出した隣の小父さんがおられた。
その時は、恐縮して拾ってその皿に乗せたのだが、丁度待ち人来たりで、会釈して顔を見たときに、まぎれもないその人だったのであった。
それが判ってからどういう対応をしたかは忘れてしまったが、兎も角恐縮極まれり、という気持ちだったことだけは覚えている。
それからは、タバコの吸い殻は決して道に捨てることがないようになった。
その後、ずいぶん経ってから、銀座の目抜き通りをリュックの様なものを背負って、飄々と景色を見ながら歩いている姿を見たことある。
ラジオ番組「小沢昭一的心」を長いこと聴かせていただいたが、ほとんどの場合「そうだ、そうだ」と共感することだった。
長い間、お疲れ様でした。
向こうで、森光子さんや渥美清さんなどと「小沢昭一的心」で楽しく談笑していただくことを祈っております。
合掌。
投稿者:つねちゃん
at 08 :06| 日記
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