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2013 年04 月10 日

下手な落語

 落語はどんなものでも好きだ。勿論「演じる」ことなど思うこともないが、それなりに沢山の演者の沢山の話を録画や生放送、二度だけだが、実際の高座で聞くことがあったし、今でもTVでそれに関する番組があれば、ほとんど見ていると自負している。
 だから、あくまでも下馬評でしかないが、「あいつは上手かったねぇ」がほとんど話題である。
 ところが、先日、まことに残念ながら下手な「死神」を聞いた。
 素人の私なりに、この話の「勘所」というのがあ。
 まずは、死神との出会いの切っ掛けではないだろうか、ぼんやりとして「死にたいなぁ」というので遭遇できるのであれば、自殺者が3万人にも及ぶ時代で、数人は遭遇しているではないだろうか。それでは、現実すぎるので、非現実を現実のように感じさせることが必要だろう。
 まだまだいくつもあるのだが、サゲが誠に詰まらなかった。
 「消えるぞ、消えるぞ、消えると死ぬぞ」という死神の言葉に対する反応をびくつきながらも懸命につないで生きようとする、そんな中で「消えた!」では、余りにも「とたん落ち」なのかもしれないが、詰まらなかった。
 地元出身の志の輔師匠のサゲは、一旦は点くのである。
 暗い洞穴からせっかく注ぎとめた蝋燭を持って出てきて、あまりの明るさに必要ないと思って、吹き消す、というものだった。
 さすがにそれほどまでの奇抜さを求める訳ではないが、大好きな「芝浜」の最後の所で、好きな酒を長い間絶っていて、いざ飲めるというほどの喜びに近い演出がほしかったなぁ、と思うのである。
 決して「真打の粗製乱造」とは言わないが、やはりいつまでたっても時分の噺を反芻してほしいと思うのだが。

投稿者:つねちゃん
at 08 :15| 日記 | コメント(0 )

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