2015 年05 月12 日
志ん生落語
ふと思い出したのが、志ん生落語の一節である。外で飲んで酔って帰った亭主が「もう一杯飲ませろ」というストーリーで、おかみさんが言うセリフ「もう『お寝なさい』」と言うのに対しての亭主の答えが「まだお寝ない」というものである。
落語の面白さ、というのは、人から教えられるものでは決してないと思っているが、でも「私はこう思う」と言うよりは、お経の文句ではないけれど「如是我聞」ということはやはり言ってみたくなる。
この前段に付く噺は、噺家によって様々だが、後段は決まっているのだが、これもまた噺家によってクスグリ処が違うように思える。
亭主が思いつく肴の残りを指摘するが「頂きました」とおかみさんが言うので、結果としておでんを買いに行こうとするのだが、それまではおかみさんにいろいろと文句で言いつけるのだが、出掛けたと思ったら、惚気になる件である。
これがないと、冒頭の「お寝ない」が生きてこない気がする。
亭主は結局古女房にでも愛して愛されている光景がまざまざと浮かんでくるのは、私だけではなかろう。
これを書いていて、思い出したのが、夫婦喧嘩の後で「出て行け」と亭主が言う、おかみさんが精一杯の化粧をして出ていこうとすると『表からはみっともない、裏からだと夜逃げのようだ」と文句を言う。
「出ていく所が無いじゃないか」と言うと「出て行けないなら出ていくな」と。
お後が宜しいようで。
投稿者:つねちゃん
at 06 :28| 健康
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