2010 年9 月5 日
日弁連環境法サマーセミナー
今回、はじめての試みとして、日弁連主催で「第1回環境法に関する法科大学院サマースクール」が上智大学で開催された。私も、今年度から京都産業大学法科大学院で、環境法の演習の授業を担当することから、本学の修了生3名と一緒に、9月4日5日の2日間6コマのサマースクールに参加してきた。100名以上の参加者がいて、会場は熱気で包まれていた。
佐藤泉先生(筑波大)の循環法の講義、村松昭夫先生(京都大)の公害紛争の講義、籠橋隆明先生(名古屋大)の環境行政訴訟の講義、北村喜宣先生(上智大)の環境法の講義、池田直樹先生(関西学院大)の環境法を学ぶ実践する講義というもので、なかなか充実していた。
私としても、法科大学院の環境法の授業の構成・内容・質を勉強する良い機会となった。
でも、何より驚いたのは、研究者である北村先生と松村先生以外は、全員、私と司法研修所同期生(39期)だということだった。弁護士となったときは、それぞれ別の土地で、それぞれ違う道を目指していたと思ったが、結局、皆、立ち位置は違えども、同じところを目指して一堂に再開したのは、何とも感激した。
しかも、佐藤泉先生が、廃棄物問題を排出事業者・処理業者の立場で特化して扱っているのを知ったのも、新鮮な驚きだった。
しかし、日頃廃棄物問題を取り扱っていて、それなりに専門家を自負している私が聞いても、へえなるほど、そういう問題があるのか、そう考えるのかとうならされる専門的な講義内容だったが、院生が聞いて理解しているのには、さらに驚かされた。
投稿者:ゆかわat 21 :59 | ビジネス | コメント(0 )
再生医療厚労省指針は幽霊か?
3日の日経夕刊を見ていたら、「再生医療 臨床研究に難題」「厚労省指針に現場から悲鳴」と題する再生医療に関する記事が載っていた。厚労省は2006年9月に再生医療の臨床研究に国の事前審査を義務付けた「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」を導入したが、指針が施行されてから骨・関節領域の臨床研究が停滞したという。
ところで、この「指針」の法的性質は何だろうか。
法規か?
単なるガイドライン、研究指針にすぎないから、法的には何ら効力を持たない行政規則にすぎない。
ところが、この法的効力を持たないはずの「指針」が研究活動を現実に規制している。しかし、「指針」は法的効力を持つものではないから、裁判所に訴えを提起して争うこともできない。幽霊はヒトを驚かすが、訴訟を提起して排除することはできない。「指針」も幽霊のようなものだ。