<< 2010/11 | メイン | 2011/01 >>
2010 年12 月20 日

議会制民主主義の機能不全(2)

  今、国政のレベルでも、地方政治のレベルでも、議会制民主主義が機能不全に陥っている。
議会が形骸化しているのではない。それだけなら問題はまだ小さい。議会が行政決定の足を縛って、何の決定もできなくなっているのだ。
それが最も顕著に現れているのが国政だ。

 社会のセーフティーネットを構築し、福祉を充実するためには、財源が不可欠だ。そのためには消費税を増税するというのがやむを得ない現実的な選択肢の一つだ。しかし、消費税増税を決めると、次の選挙で大敗を期す。だから、消費税増税という選択肢は封印してしまう。

 また、保険財政を立て直すためには給付の削減が不可欠だ。しかし、それをすると次の選挙で大敗を期す。だから、それもできない。

 選挙・民意を意識して国民の目先の支持を取り付けざるを得ない。そのために、少しでも痛みを伴うことは何も決めることができない。この国の形を決めることが何もできなくなっているのだ。結局、民意を反映することがそのままうつろう民意を反映して、国民の生活を崩壊に導いている。これは、民主主義の自己崩壊だ。どうやら日本だけではなく、アメリカでもそのようだ。

 あえて極論を言えば、民主主義の自己崩壊をくいとどめるためには、選挙の期間を長くすること=議員の任期を長くすることと、議員数を減少することしかないのではないか。
 もしそれもだめなら、議会を廃止し、民意の反映は行政の長の選挙のみとして、かつ、その任期を長くする(アメリカ大統領型)。とにかく8年なら8年の間は選挙を意識せずに行政決定に専念する。それを8年後に検証する。アメリカでも民主主義が揺らいでいるからこれでもだめだろうか?

投稿者:ゆかわat 06 :02 | ビジネス | コメント(0 )

2010 年12 月19 日

議会制民主主義の機能不全(1)

NHKの朝の連続TV小説「てっぱん」を観る機会が多い。表情が豊かで、どんなときにも笑いがある。先週は、元さんが「自分はいてもいなくてもいい存在」から「存在意味」のある人物に自信を取り戻していくお話。今、世の中で「あってもなくてもいい存在」の一つが地方議会だ。名古屋市の議会リコールはその象徴だった。

確かに私なんかも、「地域主権」時代の自治体を作り上げていくために、自治体職員の法務研修には呼ばれるが、条例を制定する機関である地方議会からは研修に呼ばれたこともない。

自治体の公金の無駄遣いを是正するために住民監査請求をするが、それは住民訴訟を提起するためには監査請求を前置しなければならないからにすぎず、監査請求をして納得のできる判断をもらったことは一度しかない。監査委員の一角を議員選出委員が占めているからだ。

今回の名古屋市のリコール署名にしても、大量の署名を無効扱いにした(河村市長に言わせると「署名の抹殺」をした)のは選挙管理委員会であり、それも議員OBがその一角を占めていることに大きな要因があろう。

しかし、議会は形骸化して「あってもなくてもよい」存在であることだけが問題なのか。

投稿者:ゆかわat 09 :55 | ビジネス | コメント(0 )

<< 2010/11 | メイン | 2011/01 >>
このページのトップへ