2010 年12 月20 日
議会制民主主義の機能不全(2)
今、国政のレベルでも、地方政治のレベルでも、議会制民主主義が機能不全に陥っている。議会が形骸化しているのではない。それだけなら問題はまだ小さい。議会が行政決定の足を縛って、何の決定もできなくなっているのだ。
それが最も顕著に現れているのが国政だ。
社会のセーフティーネットを構築し、福祉を充実するためには、財源が不可欠だ。そのためには消費税を増税するというのがやむを得ない現実的な選択肢の一つだ。しかし、消費税増税を決めると、次の選挙で大敗を期す。だから、消費税増税という選択肢は封印してしまう。
また、保険財政を立て直すためには給付の削減が不可欠だ。しかし、それをすると次の選挙で大敗を期す。だから、それもできない。
選挙・民意を意識して国民の目先の支持を取り付けざるを得ない。そのために、少しでも痛みを伴うことは何も決めることができない。この国の形を決めることが何もできなくなっているのだ。結局、民意を反映することがそのままうつろう民意を反映して、国民の生活を崩壊に導いている。これは、民主主義の自己崩壊だ。どうやら日本だけではなく、アメリカでもそのようだ。
あえて極論を言えば、民主主義の自己崩壊をくいとどめるためには、選挙の期間を長くすること=議員の任期を長くすることと、議員数を減少することしかないのではないか。
もしそれもだめなら、議会を廃止し、民意の反映は行政の長の選挙のみとして、かつ、その任期を長くする(アメリカ大統領型)。とにかく8年なら8年の間は選挙を意識せずに行政決定に専念する。それを8年後に検証する。アメリカでも民主主義が揺らいでいるからこれでもだめだろうか?