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2013 年11 月27 日

福井市加茂河原ポンプ場建替え都市計画事業認可取消訴訟第1回口頭弁論

本日、11時30分から福井地裁で、福井市加茂河原ポンプ場建替え都市計画事業認可取消訴訟第1回口頭弁論が開かれた。
 
私が原告や補助参加人がどうして本訴を提起せざるを得なかったのか、意見陳述をした。その内容は別紙のとおり。
かいつまんで言えば、市も県も事業の効率性のみを評価し、原告の土地を収用することも、補助参加人が50年もその土地に住み続けてきたのに今さらどこかへ引越せと言われても困るという思いも、単に損失補償金額としか評価しない(言葉悪く言えば、安アパートに住んでいれば、いくらそこに長年住み慣れていようとも、そこの場所・家に愛着を感じていても、そんなものは金銭評価できないから評価しない)という都市計画は違法ではないか。また、そのような重大な都市計画を去年12月にはじめて知らせてわずか半年足らずで土地収用も可能な都市計画事業認可にまで至るのはあまりに手続き保障に欠け、むしろ行政権の濫用ではないかというもの。

それに対して、裁判所も、「県は都市計画事業認可処分をしているのに、どうして原告が都市計画事業地内の建物所有者であることを知らない、補助参加人が都市計画事業地内の建物に入居者であることを知らないという認否をするのか。認否をし直してほしい。裁判所も本件の争点は認可処分をした判断の合理性と手続きの適法性であると認識しているので、県は手持ちの証拠を全部出したうえで、県がどういう関係法令に基づいて、どういう事実を認識してそれをどう評価・考慮して処分するに至ったのか、当時の判断過程をすべて主張してほしい。後から原告の反論を見てからそういうことも考慮したなどと主張するのは認めない。」という的確な訴訟指揮をされた。

また、都市計画事業施行者である福井市に訴訟に参加させる決定もするという。

次回期日は、平成26年2月12日午後1時30分 福井地裁6号法廷で開かれる。20131127benron.doc

投稿者:ゆかわat 20 :19 | ビジネス | コメント(0 )

2013 年11 月6 日

TPP紛争仲裁制度参加国合意

今朝の日経にTPPに紛争仲裁制度参加国が合意との記事が載っていた。 審議内容の公開の仲裁制度を設けるということだが、手放しで歓迎できるのか。契約書の中で仲裁の準拠法をどこにするのか、仲裁に耐えられる契約内容を盛り込めるか、そして何よりも中立公平な仲裁判断を下せるパネルを日本が提供できるのか、そのような仲裁人候補者名簿を関係国間で策定できるのか。 また、国家と投資家の間の紛争解決条項(ISDS条項)導入も折り合ったというが、これも日本が手放しで歓迎できるのか。中野剛志編「TPP黒い条約」(集英社新書)によれば、ISDS条項はあらゆる国内規制が外国投資家によって国際投資家裁判所に提訴される危険をはらんでおり主権の侵害だとの批判がなされているところだ。

投稿者:ゆかわat 22 :31 | ビジネス | コメント(0 )

2013 年11 月2 日

福井市加茂河原ポンプ場建替えに係る都市計画事業認可取消訴訟

第1回口頭弁論期日 平成25年11月27日(水)11時30分 福井地裁2号法廷にて

 福井市加茂河原ポンプ場は福井市明町11-22に所在する。
供用開始は昭和29年4月。確かに古い。
汚水ポンプ3台(排水能力毎分46立方メートル)、雨水ポンプ4台(排水能力毎分392立方メートル)である。

福井市は、浸水被害の軽減と老朽化施設の更新を理由として、これを汚水ポンプ5台(毎分54立方メートル)、雨水ポンプ4台(毎分780立方メートル)に更新する(排水能力は倍増)ことを計画し、そのために敷地面積を現在の倍にすることとし、現在のポンプ場敷地の東側に敷地を拡張することとした。その結果、ポンプ場東側にある民家(アパートを含む)が立退きの対象となる。

福井市はこれを将来強制収用も可能な都市計画事業として計画した。

福井市は平成24年12月に初めてこの計画を地元に提示し、平成25年2月に都市計画審議会を経て、同年3月に都市計画変更決定、そして同年7月に福井県知事から都市計画事業認可を受けた。

この間、福井市とも話し合いを続けてきたが、どうしても納得することができず、今般、立退き対象となるアパート所有者が原告となり、当該アパートや民家の入居者がその補助参加人となって、福井県知事を被告として、福井地方裁判所に都市計画事業認可取消訴訟を提起した。

訴訟を提起した理由は3点である。

第1は、本当にこのようなポンプ能力の倍増が必要なのか。

ポンプ施設が老朽化しているから更新したいというのは当然のことだろう。しかし、能力を倍にする必要はない。どうして能力を倍にする必要があるのか。その理由は、この地域の浸水被害対策だ。浸水被害は確かに軽減しなければならない。しかし、その浸水被害というのは、隣地に居住するアパート・民家の住民を追い出してまでしなければならないほど深刻な被害なのか。 平成16年の福井水害は確かに被害は甚大だった。しかし、その原因は加茂河原ポンプ場の能力不足なのか。平成24年にも浸水被害はあった。しかし、それは1回だけだった。そのために、隣地に居住するアパート・民家の住民を追い出してまでしなければならないほど深刻なものだったのか。

第2は、仮にそのようなポンプ場が必要であるとして、どうしてポンプ場敷地東隣に拡張しなければならないのか。
加茂河原ポンプ場の斜め向かいには競輪場がある。その駐車場もある。いずれも官地(市有地)である。どうしてそこに作れないのか。どうして民地の収用を考える前に、官地を使ってポンプ場の建て替えを考えられないのか。市に言わせれば、隣に拡張した方が工事も効率的にできる。他方、向かいの土地を使うとしたら、管の切り替えも必要だし、そのための工事も必要だし、交通規制も必要だ。費用もかかる。安上がりに、早く仕上げようと思えば、現在の敷地の隣に拡張するのが便利・効率的なことはよく分かる。しかし、そのために隣の民地に居住する市民の暮らしに現実に及ぼす支障はなおざりになってよいのか。

第3は、あまりに計画が拙速ではないのか。そのため、地元住民との十分な話し合いができてないのではないのか。

浸水被害対策と老朽化したポンプ場の更新は、まさしく中長期的な都市計画として考えられるべきだ。訴訟の原告にやむなくなったアパート所有者も、この土地がそのようなポンプ場予定地だと予め分かっていれば、納得もできる。ところが、福井市はこのようなポンプ場の建て替えを明らかにしたのは、昨年12月が初めてである。それから工事を「円滑に」進めるために、都市計画を変更して、都市計画事業認可を得た。都市計画も都市計画事業認可も、行政が工事を「円滑に」、すなわち反対しても強制的に進めるための便宜的な手段なのか。違うだろう。中長期的な計画だからこそ、そのような強力な権限が与えられるのだ。強力な権限を得るために都市計画事業を利用するというのは、本末転倒だ。

投稿者:ゆかわat 19 :52 | ビジネス | コメント(0 )

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