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2009年06月28日

解夏 その後

 何となく気になって、解夏に収録されている他の2作を読んでしまった。
 フィリピンから来た花嫁が家族に受け入れられていく話、ふるさとの消滅と家族の崩壊に伴う心の傷がいやされていく話。とても心にしみいる物語だった。
 小説のうまい下手で言えば、まだまだなのだろう。文学賞の知阿庄になる作品ではないのだろう。でも、さだまさしのもっている世界の幅や深まりを感じられて、とてもよい読後感であった。とりわけ、ダム湖に沈んだ村が、渇水で出現し、それを、知らずに再会した我が子と訪ねていく場面、別れた幼なじみであるその子の母親が、出迎える場面が、心にしみいる。その後を書かないところが憎いんだな。

投稿者:at Sushiat 23:18| 日記 | コメント(0)

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