日本が融けてゆく
古賀茂明・須田慎一郎著の飛鳥新社の本だ。脱官僚路線を掲げる民主党政権が官僚に牛耳られていった過程がよく分かる。
日本の政治と官僚の関係を知る上では不可欠の書物だと思う。
先日の混合診療を全部非保険扱いする取り扱いを適法と認めた最高裁判決についての小宮山厚労大臣の「政府の見解が認められて正当」だとのコメントも、こうやってみると、いかに厚生労働官僚に民主党が支配されているかがよく分かる。混合診療の取り扱いを決めたのは旧自民党政権下の厚生労働省ではないか。今の政府は自民党政権と全く変わらない。「国破れて山河あり」ならぬ「政治破れて官僚あり」だ。
投稿者:ゆかわat 22 :13
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浜田簡裁 交通調停
今日は、交通事故の調停で島根県の浜田簡易裁判所まで出張。
新幹線で広島駅まで行って、そこからレンタカーを借りて浜田へ。被害者のご実家が浜田にあるので、そこで打ち合わせをしてから裁判所へ行った。お宅までうかがうと、そこに被害者の生活の面影がそこここに残っており、被害者の生活史、生活ぶり、夢、被害者とご遺族との関係、ご遺族の被害者に対する思い、兄弟姉妹の仲の良さの片鱗が感じられた。事務所での打ち合わせでは感じ取ることのできないものがそこにある。それが、わざわざ調停まで申し立てる原点になっている。弁護士になって日常的に業務をこなしていると、ついつい見過ごしてしまうものを改めて再発見した。
それに対して、相手方の損保会社・代理人の態度の冷たさ。被害者とその遺族を、人としてみるのではなく、ただの保険金額の多寡でみるその姿勢。お金では人の命が返らないのに、農業所得者の平均年収は農水省の統計資料では年30数万円の所得にしかならないから、それでも申告収入額より多いのだから、それで逸失利益は計算するので我慢せよという。交渉術としては「正しい」のかもしれないが、交通事故で人を死なせておいて、さらに保険金額の交渉でさらに人の生活を踏みにじって、それで安上がりで終わればいいのだろうか。
「田舎弁護士」はいつまでも都会にはなじめない。でも、都会でなくても、「田舎弁護士」はどんどん生息地域は狭くなっているようだ。
投稿者:ゆかわat 22 :32
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暴排条例違反容疑で初
21日日経夕刊に、禁止区域に暴力団事務所を移転したとして山口組顧問が大阪府暴力団排除条例違反で逮捕された事件で大阪府警は山口組総本部を家宅捜索したという記事が載っていた。
大阪府条例18条は、暴力団事務所(暴力団の活動の拠点である施設又は施設の区画された部分をいう)は、学校教育法第一条に規定する学校や児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設等の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲二百メートルの区域内に開設し、又は運営してはならないものと定め、これに違反した者は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するものとされている(25条)。
上記事件は、大阪市北区の保育所から200m以内にあるビルに事務所を移転したことがこれに該当するというものだ。
しかし、何となく、風が吹けば桶屋が儲かる方式の、へえ、こんなんで組の総本部の捜索ができるんだという驚きを隠せない。
投稿者:ゆかわat 08 :24
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生活保護中止で請求棄却
14日付日経朝刊に、福島県南相馬市で、東日本大震災の義捐金や福島第一原発事故の東京電力の仮払補償金を収入認定されて生活保護を打ち切られたことからその処分取消を求めた審査請求につき、福島県知事がこれを棄却したとの記事が載っていた。
義捐金や補償金は形式的には収入かもしれないが、震災や原発事故で生活基盤(ストック)を失った住民が受け取るものだから、震災や事故前後を通じて、義捐金や補償金を受け取っても何ら収入(フロー)は増加していないのだから、収入認定するのは明らかに間違いだ。同様の問題は、破産事件においても生じるが、裁判所は義捐金や補償金は資産(配当可能財産)とはみなさない扱いをしているのが正当だ。
これは福島県単独の判断というよりも、厚労省の行政指導に起因するものだろう。
震災や原発事故で政治が政争に明け暮れている間に、「脱官僚」の対象だった官僚が焼け太りをしている。
投稿者:ゆかわat 22 :38
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