<< 2012/02 | メイン | 2012/04 >>
2012 年3 月18 日

ビール系飲料 2月の課税出荷量

ビール大手5社の集計では、2月のビール系飲料(ビール・発泡酒・第3のビール)の課税出荷量は前年と比較すると4.7%減少して3カ月連続のマイナスとなったそうです。ビール系飲料全体に占める酒類別ではビール44.6%、発泡酒16.1%、第3のビール39.3%という構成比だったそうですが、これに大手4社が競って販売しているキリンフリー、ドライゼロ、プレミアムアルコールフリー、オールフリー等のノンアルコールビールを加えるとどのような構成比になるのでしょうか。
 需要が減少した原因を「大雪など全国的に低温、天候不順となったことがビールの需要に影響した」としていますが、その原因はもっと別なところにあるのではないのでしょうか ?
 
日本では単に酒税の徴収等の都合だけから、明治3年に横浜で開設されたスプリング・バレー・ブルワリーを前身にして明治40年に設立された麒麟麦酒株式会社(キリンビール)と、明治9年に北海道開拓使が札幌でビール製造に着手した官営の会社を引き継いだ大日本麦酒が昭和24年に分割された日本麦酒(サッポロビール)と朝日麦酒(アサヒビール)、昭和38年にデンマークタイプのビールの販売から始まったサントリーの4メーカーと、昭和35年から沖縄特産の地ビールを生産していたオリオンビールの5社の大規模な醸造所(ビール工場)しか事実上は認められていませんでした。
 しかし、平成6年4月に年間最低製造数量が200万Lから6万Lに規制が緩和されて、いわゆる地ビールを醸造する多数のマイクロブルワリーが誕生しました。平成9年3月に誕生した「金沢ビール」は残念ながら閉鎖されましたが、淘汰を繰り返しながらも230余りの醸造所が今も稼働しています。
 
ドイツには1300ヵ所以上のビール醸造メーカーがあり、そのうち年間生産量が500万L以上の大規模醸造所は45社もあります。大手が高を括ってビールもどきやノンアルコールの飲料での価格競争に現を抜かしている間に、品質と味で大手を凌駕するような醸造所が抜け出てくるやもしれません。

 

投稿者:ぴるぜんat 22 :25 | 日記

2012 年3 月4 日

国産ビール市場の衰退

「7年連続売り上げNo.1」と、大豆タンパクを原料にした「その他の醸造酒(発泡性)」に分類されるキリンの「のどごし〈生〉」にいたっては350ml缶の実勢販売価格はビールの半額以下です。「ドジョウは金魚になれない」とは野田総理の弁ですが、メーカー各社は大豆やエンドウやトウモロコシが麦になれると思って商品開発を続けているのでしょうか。食感が同じだからといってもコンニャクや薩摩揚げは牛肉ではありません。

 で、「ビールと味はそれほど変わらないけれど税金の分だけ価格が安い」と四つ巴の価格競争の結果、全体のビール系飲料の消費量が底上げされたかというと結果は逆で、「ビールもどき」の発泡酒や第3のビールに本来のビール市場の50%以上が食い荒らされただけでなく、ビール市場そのものが減退してしまいました。
 

投稿者:ぴるぜんat 20 :56 | 日記

2012 年3 月3 日

Reinheitsgebot

使用される麦芽の比率で税率が区分されていることから、キリンは「コクの時間(贅沢麦)」・「麦のごちそう」・「本格(辛口麦)」、アサヒは「一番麦」、サッポロは「麦とホップ」、サントリーは「金麦」と、麦芽比率が低いにもかかわらず「ビールと間違うほどのおいしさ」として麦を強調した、税金の分だけ価格が安い新ジャンルの商品が目白押しです。このことは「麦芽こそがビールの味を決める」とビールメーカー各社も認識しているということではないのでしょうか。
今では効力を失っているものの、ドイツでは16世紀に制定された「ビール純粋令」をいまだに守り続けている醸造所が多く、麦芽比率100%以外のものをビールとは認めていません。その酒税は350ml缶に換算すると約5円程度です。ちなみに日本では「その他の醸造酒(発泡性)」にも、1缶当たり28円の酒税が課せられています。
 


投稿者:ぴるぜんat 20 :18 | 日記

<< 2012/02 | メイン | 2012/04 >>
このページのトップへ