<< 2016/06 | メイン | 2016/09 >>
2016 年7 月13 日

民泊無許可運営疑い 6人書類送検

 今日の夕刊に、民泊を無許可営業したとして、警視庁は男女6人を旅館業法違反の疑いで書類送検したという。

 4月に民泊を旅館業法の簡易宿所として許可制にする政令を施行したのに無許可営業をしたという。

 しかし、旅館業法の簡易宿所とは、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をいうとされているが、この事件では区内の賃貸マンションの3LDKの部屋に外国人観光客を宿泊させたというものであって、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け」たものではないから、簡易宿所営業の許可をとらなかったというのは、事件の筋から外れる。

 そもそも政令で簡易宿所の客室の要件を緩和したから民泊を簡易宿所営業として規制するというのが誤っている。旅館業法では政令で規制することにしていないのだから、政令でこう決めたのにそれに反しているからというのは理由にならない。

 

 

投稿者:ゆかわat 19 :24 | ビジネス | コメント(0 )

2016 年7 月9 日

神戸にダイオキシン無断埋め立て 大阪・能勢町の廃棄物

西日本新聞7月7日から。

「神戸市は7日、高濃度のダイオキシンを含むドラム缶163本分(約25トン)の汚染焼却灰や汚泥が、同市西区の産業廃棄物最終処分場に無断で処理され、違法に埋め立てられていたと発表した。1997年にダイオキシンが検出された大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」(閉鎖)から出た廃棄物で、運営していた豊能郡環境施設組合が埋め立てたという。

 組合は昨年8月、福岡県大牟田市内で処理することを決定したが、大阪府などによると、組合は「大牟田市にいったん運んだが、同市の業者の事情で処理できなくなった。その後、今年2月に神戸市の業者が処理した」と説明している。」

でも、元が一般廃棄物であっても、ゴミ焼却施設で焼却した後の焼却灰や汚泥は事業活動に伴って排出された燃え殻・汚泥だから、産業廃棄物であるのは当然のこと。そこにがれきが含まれているから産業廃棄物になるものでもない。

 だから、一般廃棄物である家庭ごみを焼却したものだから一般廃棄物であるのにそれを産廃と扱うのは違法だから掘削して撤去しろという神戸市の言い分は誤り。他方で、がれきが含まれていたから産廃として扱うことにしたという環境施設組合の言い分も、結論は正しいが、理屈はちょっと変。

 どちらもごみのプロであり専門家であるのに、どうしてこんな誤りを言うのかしら?

 というか、「専門家」ですら判断を誤るような、そもそも一廃とか産廃を区別する基準や、同じ性質のごみでも「事業活動に伴って排出されたかどうか」という、ごみの性状には関係のない、ごみの出生の出自を理由に一廃と産廃を区別しようとする廃棄物処理法がおかしい。

投稿者:ゆかわat 06 :52 | ビジネス | コメント(0 )

2016 年7 月2 日

国民投票という魔物

7月1日の日経新聞「大機小機」から。

「 英国の国民投票で欧州連合EU離脱が決まってから1週間がたとうとしている。本紙に「英国民は暗闇に飛び降りた」と表現した記事があったが、まさに専門家を含め国際社会は想定外の結果にいまだ消化不良を起こしている状態だ。
 
 ただ今回の投票結果から何を読み取るべきか、少しずつ見えてきたように思う。何より国民投票が政治家に利用されやすい危険な性質を持っていることが分かった。

 国民投票は、たった一度の投票で国民に賛否の決断を迫る。大多数の国民は投票のテーマに精通しているわけではなく、声高な政治家の声に耳を傾けがちだ。

 今回の国民投票を決めたのは、キャメロン現首相だ。保守党内でEUの不満が強まってきたことへの対抗策として国民を味方につけようとしたとみられている。

 一方で同氏の盟友だったジョンソン前ロンドン市長が突如、離脱派のリーダーに変身した。島内で次期首相の基盤を固めるのが狙いだったとされる。

 彼は新聞記者として長くEU本部のあるブリュッセルに駐在し、共通ルールに固執するEU官僚を部数の多い大衆紙を舞台に批判し続けた人物として知られる。今回、移民規制を強く主張する英国独立党なども巻き込んで国民を扇動したとみざるをえない。

 それでは、僅差とはいえ離脱を選んだ英国民の選択をどうみるか。米国の有力紙は、人々は経済合理性を基準に投票行動を決めてきた「常識」が破られた、と書いた。

 多数の移民が英経済発展の原動力となってきたことは英国民の共通認識のはずだが、今回の投票で人々は経済よりアイデンティティー、つまり英国人の社会的規範やまとまりのほうを重視した、というのだ。

 翻って日本では7月10日に参議院議員選挙がある。アベノミクスは厳しい局面にあるが、野党は説得力のある対案を提示できていない。経済政策は争点にならない。

 実は「経済」以外に、私たち国民は重要な判断を迫られている。憲法改正の発議に必要な議席の3分の2の確保を自民党など改憲派に許すのか。そうなれば、その先に国民投票が想定される。政治家の意図に十分注意しながら投票会場に足を運ぼう。」


 ここからはこの論説を読んでの私の感想。国民投票を利用しようとした政治家が国民投票で足をすくわれ、国民投票で民意を示そうとした国民が実は政治家に操られている。直接民主主義の怖さを強く感じさせられた。

 同時に、今日、民主主義を操るものが、理性や知性ではなく、実はナショナリズム、感情であることも強く思い知らされた。日本でもナショナリズムの政治家が跋扈している。


 

投稿者:ゆかわat 07 :03 | ビジネス | コメント(0 )

<< 2016/06 | メイン | 2016/09 >>
このページのトップへ