東京出張〜金利スワップ取引
今日は、午前10時から東京簡易裁判所の調停に出頭した。前泊が必要かと心配したが、7時の新幹線に乗れば間に合った。
事案は、M都銀を相手方とする金利スワップ取引解消についての調停だ。公正取引委員会や金融庁から独占禁止法違反(優越的地位の濫用)を指摘された取引形態だ。
相手方は「優越的地位の濫用」にあたらないゆえんを様々に主張する。しかし、厳密には「優越的地位の濫用」にあたらないとしても、借入を必要とする事業者とすれば、銀行からセット商品のように金利スワップ取引を提示されれば、銀行が薦めるのであれば、その方が当面の金利負担は大きくなったとしても将来的には利益になるのだろう、それにセット商品なのだからその方が確実に借入できるのだろうと思って、金利スワップ取引の仕組みが分からないままに、金利スワップ商品を購入するのはごく自然なことだ。
それに、金融商品なのだから、嫌になれば、途中で解約できるのだろうと思うのも、ごく自然なことだ。銀行の扱う典型的な金融商品である「定期預金」にしたって、本来、満期前解約はできないのに、普通預金の金利であれば満期前解約も受け付けられているのだから。ところが、金利スワップ取引は、変動金利借入の金利ヘッジ目的の商品だというふれこみで勧誘されているのに、途中で借入を他行からの借換えで全額繰上げ返済しても、中途解約が認められず、仮に中途解約する時は、多額の解約精算金を支払う必要があるという。契約にあたって、そのことは具体的に説明すべきであるのに、説明がないままに金利スワップ取引がなされた。相手方は説明をしたというが、依頼者は聞いていないという水掛論争になってしまっている。説明をしたというのであれば、「解約時の市場実勢を基準として弊行所定の方法により算出した金額をお支払する必要があります」などという、何をいっているのか分からない抽象的なことを口頭で読み上げるだけではなく、契約当時の金利水準であれば具体的にどういう計算をして幾らになるのか、それが当時推定される将来の金利動向に照らせばどのような金額になるのかを、紙に書いて説明してそれを交付すべきだ。そこまでして初めて説明責任を果たしたことになるのではないのか。
そんな思いで、事業者はいるのだが、銀行担当者は、調査の結果独占禁止法違反の事実は認められないから問題はないの一点張りで話し合いの余地がない。これまでも都銀相手の調停を起したことはあるし、調停官としても銀行を当事者とする事件を担当したことがあるが、総じて調停での円満解決は困難なことが多い。本件もそうかな、とりわけ金利スワップ取引については全国で金利スワップ被害弁護団が結成されて訴訟も提起される状況にある中で、本件だけ調停で解決というのもないのかな、という思いもあったが、東京簡裁の調停の進め方を見るのも勉強になるし、自分が調停官として担当したなら、やはりそれだけ大きな問題であるだけに、何とか話し合いで円満に解決させたいと思うものだから、一縷の期待をこめて調停を起した。
幸いなことに、第1回期日で不調で終わることなく、次回に話し合い続行となった。話し合いの中で双方が折り合える解決策が見出されることを祈るばかりだ。
投稿者:ゆかわat 05 :37
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アメリカ産牛肉輸入再開
7月27日、政府はアメリカ産牛肉の輸入再開を決定し、来月から日本国内で流通する見通しとなった。
ところで、厚生労働大臣は、特定危険部位が再び見つかれば全面停止すると明言した。
しかし、国がそこまで食の安全に事前規制責任を負う必要があるのだろうか。その法的根拠は何だろうか。そもそもアメリカでは食品として流通しているものを日本では危険だとして政府が輸入を禁止しているのはおかしくはないか。むしろ、この後は民間に委ねるべき事柄ではないのか。つまり、アメリカ産牛肉を売る業者が責任を持って特定危険部位が含まれていないかどうかチェックし、売るときにも表示をする。消費者は危険だと思えば買わなければいい。それを仮に狂牛病が発病したとしても、政府が輸入を再開したからだと責任転嫁をしない。国はそのシステムを遺漏のないようにチェックする。それを超えて、国自らが牛肉の安全に責任を持つ必要はないのではないか。結局、それは、再び、日本が何でも行政責任で、行政が国民生活の総てに介入し、総てにわたって事前規制をするというお役所国家・官の肥大した規制強化に逆戻りするということではないのか。アメリカ産牛肉の対応をめぐって、日本の国と国民のあり方が見えてくる。日本国民は、早くお役所国家から自己責任市民に成長した方がいい。
投稿者:ゆかわat 05 :35
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自治体法務合同研究会横須賀大会(その1)
毎年1回今頃の時期に、全国の自治体職員有志の政策法務研究会の集まりが行われる。ここ数年来、毎年、参加させてもらっている。自治体職員の問題意識、自治体の抱える政策法務問題を知りうる絶好の機会だ。私は自治体職員でもないし、自治体の顧問弁護士でもなく、自治体の外にあって(自治体の構成員ではあるが)自治体を批判的に見ている者だが、私が出席しても皆温かく迎えてくれるし、毎年この会に出席することで、自治体のために、住民のためにまじめに自分で考えて取り組んでいる職員がいるのを見て、大変、好ましく思う。
今年の大会は、横須賀市で開催された。21日(金)から開催されたが、当日は、園部の法律相談の予定が入っていたので、それが終わってからかけつけたので、到着したら、午後7時を回っていた。
横須賀は、以前、東京時代に、何度か裁判所に通ったことがあったが、夜の横須賀を歩いたのは初めてだった。汐入駅のそばの会場に向かうのに、どぶ板通りの表の国道16号線を歩いた。Irish BarだのLive Barだの看板が出ている。外から中を覗いてみると、アメリカ人ばっかりで、さながら映画のセットのようだった。町中で見かける人も、アメリカ人ばっかりだ。町中を警邏している警察官も、アメリカ人のPoliceで、パトカーも外国ナンバーがついていた。まるでここだけは、日本じゃなく、アメリカだった。
投稿者:ゆかわat 21 :43
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かぶとむし
去年から、ムシキングブームの影響で、子供がカブトムシやクワガタムシをよく買ってくる。子供は買ってくるだけで飼育係は私だ。そのカブトムシが卵を産み、3匹の幼虫が成長してきた。今年は、夏が遅いせいか、さなぎになるのも遅く、ようやく1週間ほど前にさなぎになったのかなと思っていた。
ところで、カブトムシは、満月の夜にさなぎから孵って月に向かって飛び立つとかいう。ほんとかな、と思っていた。1昨日、朝、虫かごを見たら、箱がひっくり返されていたのか、虫除けシートに土が付いている。もしかして?
そして、夕べ、旅行から帰ってみると、何と、メスのカブトムシが2匹、土の上を忙しそうに動いている。昨夜は、きれいに月が出ていたものね。
最後の1匹はオスかな?それとも3匹ともメスかな?
投稿者:ゆかわat 07 :07
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廃棄物処理ノート3〜京都市環境局探訪
京都市では、10月から家庭ゴミ有料袋制がスタートする。そもそも家庭ゴミ(一般廃棄物)は廃掃法で市町村に処理責任があるから、有料指定袋制を導入するのは自治体の責任に反するのではないかという問題がある。そこで、どのような法令上の根拠を有するのかを調べてみようと思った。
しかし、京都市のどこへ行けばよいのか分からないので、まずは、自宅近くの朝日新聞社ビルにある環境局の事務所に行くことにした。環境局だが、ここは廃棄物指導課とある。環境局は環境局でも産廃関係のようだ。しかし、家庭ゴミ有料化のポスターが貼ってあるから、とりあえず入って聞いてみることにした。
ドアを開けると、皆どこかに出払っているのか、役職についているらしい一人の職員しかいなかった。聞いても、ここは産廃関係だから分からない、本庁西館2階に行って欲しいと言われた。
そこで、寺町まで行った。2階に上がる前に、1階に情報公開室があったのでまずはそこを覗いてみた。環境関係のコーナーを見るが、家庭ゴミ有料化に関する資料はなかった。平成18年度一般廃棄物処理計画くらいはあるだろうと思ったが、それもなかった。例規集で廃棄物処理条例を見ようとした。平成18年3月議会で有料化が決定されているはずなのだが、平成17年3月改正分までしか例規集には綴られていなかった。
そこで、2階に上がった。環境総務課とある。聞いたら、3階に行ってくれと言われた。
3階の環境企画課へ行った。そこで、家庭ゴミ有料化を定めた廃棄物処理条例はないかと聞いたら、まだ改正後の全文の条例は印刷されたものがないという。改正事項だけだったらあるというので、じゃあ、その写しがもらえるかと聞いたら、イントラネットで、改正条例を検索してくれた。プリントアウトするまで、10分弱待った。その間に、一般廃棄物処理計画はないかと聞いたら、このパンフレットに載ってますと言われてもらったが、平成15年作成のパンフだから、有料化のことは書かれているはずもない。改めて平成18年度一般廃棄物処理計画はないかと聞いたら、またイントラネットで検索してプリントアウトしてくれた。
どうやら家庭ゴミ有料化の政策ははっきりしているが、その根拠法令は全く軽視されているようだ。
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投稿者:ゆかわat 21 :10
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事務所の引越
事務所を引っ越すことになった。
これまで烏丸丸太町を上がった所に事務所を構えていたが、寺町丸太町に近い所に事務所を引っ越すことになった。ここは、小学校の時に、いつも自宅から学校に行くときに通ったところ。この辺に○○君の家があったな、この辺に△△さんの家があったな、なんて思いながら、もう今はなき想い出にひたる。竹屋町に出ると真正面に革堂さんの門が大きく見える。裁判所にもとても近くなった。まわりは法律事務所ばかりの、弁護士村だ。
新しい事務所はガラス張りでとても明るいが、これからはまるで温室のようだ。まだ段ボール箱が無雑作に散らかっていて、電話もつながっていない。そんなところで、書面を書いたりしているのも、電話にじゃまされずに心地よいものだ。
投稿者:ゆかわat 21 :43
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