みさと村だより

　もやに煙る浅間山を前に見ながら走る。佐久小諸ジャンクションから本線に合流する。
　後は高速で、３時間足らずで滑川に着く。ゆっくり休んで走って、日をまたいで明日に着くようにすれば、高速料金は半額になる。１０時を過ぎて着けば、３割引になる。半額になるように走るのも疲れる。１０時を過ぎる程度で着けばよいだろう。そう思いながら、時速８０キロほどで、ゆっくりと走る。たまにＮシステムを見ると、ふだんの癖が出て７０キロに落ちたりする。あまりにもゆっくりな大型車を見ると、１００キロほど出して、追い抜いたりもする。そんな感じで走り続ける。
　小布施SAで休憩しようと思ったら、売店が閉まってしまっていた。改めて思ったが、このルートは、サービスエリアの閉店が早い。
　新潟県境付近で激しく雨が降ってきた。この辺は、対面通行になるので、いつもは、追い越し区間を見付けて必死で追い越すのだが、今日は、急がない。のろのろと走る。意外と後続車も追い抜いていかない。バイクの２人連れが、激しい雨に奮闘している。
　８時４０分、妙高SAで休憩する。どこかで夕食を取りたいが、SAの売店は、だいたい閉まってしまう。どうしたものかと高速道路の案内書を見ていたら、蓮台寺PAの店がやっているらしい。PAに、売店があるなんて不思議だと思いながら、そこを目指すことにする。
　９時３０分、蓮台寺PAに到着。けっこう本格的なラーメン店だった。全国に支店がある店だ。ゆっくりとラーメンを食べる。１０時過ぎに出発。
　１０時３５分、最後のトンネルを抜けて、富山県内に入る。
　その後もゆっくりめに走って、家への到着は、１１時半頃だった。家に持ち込む荷物を持って家に入り、布団などは、明日クリーニングに持ち込むことにする。
　当たり前のように帰ってきたが、疲れやすくなっていることを感じる。当たり前と思ってはいけないなと思った。

　来るときは、中央自動車道から来たが、帰りは、上信越自動車道の佐久南というところに向かって行く。
　しばらく走ると、小海線の野辺山駅があった。かわいらしい駅だ。ふと、ソフトクリームの看板が目に入る。そして、職場に土産を買う必要があることに気付く。安くて数があるクッキーのようなものを買って、ついでに家にも土産を買う。家への土産の方が数は少ないのに高くなった。
　北へ北へと道を進める。途中、青木胡の看板がある。キャンプ場があるところだ。今年は、うちの牧師は行かないのかな。
　高速に乗る前に、ガソリンを給油する必要がある。私の車の場合、東京〜富山で、ほぼ満タンのガソリンを使う。寄り道した分、絶対にガス欠になると思ったのだ。ところが、ガソリンスタンドはあるが、JAがやっているスタンドばかりだ。値段が表示されていない。きっと高いのだろうと思う。今のところ差し迫ってガス欠になることはないから、もう少し都市部に出てから給油しようと思って走り続ける。そのうちに、１軒のスタンドに値段が出ていた。１６４円？高すぎる。
　ナビで、高速の入口にほど近いところにスタンドがあることが分かる。すぐそばは避けて、一つ手前のスタンドでと考えてそこを給油場所に決める。ただ、問題は、道路の右側にあることになっている。右折して入って右折して出るのは面倒だなと思う。そう思いながら走ってくると。突然、４車線の道路になってしまった。これでは、道路右側のスタンドに入るのは無理だ。と思ったら、目の前にスタンドが見えた。思い切ってそこに入る。２３Ｌ給油。
　６時４０分頃、佐久南インターから高速に入る。ここはしばらく無料区間になっている。

　わくわくしながら天文台の門をくぐる。受付で記帳して入る。携帯電話の電源を切るように言われる。微弱な電波を相手にしている天文台だから、携帯電話の電波が邪魔なのだろう。
　行ってみれば、パラボラアンテナのようなものがずらりと並んでいるだけで、その説明の看板が並んでいるだけなのだが、妙に胸が高鳴った。残念ながら、４５ｍ電波望遠鏡は真上を向いたままである。今は、観測の季節ではないので、真上を向けて安定させているらしい。これは残念。望遠鏡脇の展示室で、じっくりとビデオを見てきた。
　ミリ波干渉計という１０ｍほどの大きさのパラボラが６台あって、これが南の空に向いている風景がかっこいい。レールがそばにあるので、移動できるらしいが、きちんと土台の上に立っているように見えるので、どうやって移動するのか興味があった。
　感動に浸っていたら、５時過ぎになってしまった。帰途につこう。

　後は帰るのみなのだが、せっかく来たのだから、どこかに立ち寄っていきたい。
　そこで思いついたのが、国立天文台野辺山宇宙電波観測所だ。ちょっと寄り道になるが、帰途にあるのでいいだろう。問題は、そこに何時に到着できるかである。じっくりと見たいので、３時には着きたかった。それで、子どものところを昼に出てきたのだ。ナビの予定では、２時間半ほどで着くらしい。
　しかし、当然のことながら、都内の渋滞があって、中央自動車道に乗るまでにかなり時間がかかってしまった。途中、府中刑務所を通った。大きい。日本最大の刑務所らしい。けっこう凶悪な囚人のいるのではなかっただろうか。昔、赤軍派の事件の時に、ここから釈放された人がいたように思う。死刑囚もいるのかと思ったが、東京拘置所は、小菅であった。
　中央高速道は、ひとまず６００円取っておいて、後で改めて３０００円(野辺山近辺のインターチェンジまでの通行料)取る事になっている。
　しばらく走って、談合坂SAで休憩する。すごく大きなSAである。駐車所の車にも圧倒されたが、レストランの広さにも圧倒される。高速に入る前に、コンビニで、お茶とおにぎりと、冷やすための氷とを買っておいたのだが、おいしいものを前にすると、何か食べたくなる。広島お好み焼きが魅力的だったが、ほぼ１０００円と、ちょっと高いので、やめてブドウジュースを買う。
　行けども行けどもという感じで、目的のインターまでは遠かった。途中かなり眠気がしてやばかった。高速を降りてからが、これまた遠かった。鉄道最高所の看板のところで細道に入って天文台を目指す。ナビが混乱するような情報をくれるので困った。そうこうするうちに、右側に大きなパラボラアンテナが見えた。線路に沿って踏切まで行って、戻ってくる。
　着いた。丁度３時間かかった。

　疲れが出たのか、いつになくゆっくりと寝てしまう。
　午前９時に大家さんが、点検に来るというので、７時半に子どものところで朝食を取り、８時に、古い家の方に来て、細々とした最後の片付けをしながら大家さんを待つことにしていた。
　それで、朝７時に車を取ってきて、布団や学習いすなど、家に持ち帰るものを積んだ。マンションの裏手の駐車場は、テナントの会社の駐車場なのだが、この時刻に使うことはあるまいと、そこに車を停めて、慌てて積み込んで、ダイエーに車を持って行ってきた。後は、自分の荷物と、不燃物と、空き段ボールを持ち帰る予定。それは、最後に出発するときに積み込むことにする。
　子どもは、４軒並びの住人に、挨拶をして行くつもりでいた。丁度、大家さんが来る直前に掃除用具などを新居に運ぼうとしていたら、２軒向こうの親子が出てきたので、「お出かけですか」と声をかけた。驚いたことに、子どもたちはこの親子とかなり仲良くしていたみたいで、特に上の子どもが、その家の４年生の子どもとよく話をしていたらしい。ちょっと、子どもたちを見直した。
　大家さんの後、ガスの閉栓に来られ、電気屋さんが来られ、水道局の人が来られて、ついに、引っ越し作業は完了。子どもは、最後に仲良し親子のところに挨拶に行って、しばし話し込んでいた。まあ、すぐ近所に引っ越したので、また会うこともあるだろう。家の鍵を管理会社のポストに入れて、今まで暮らした家に別れを告げた。
　気がつけば、正午になろうとしていた。まあ、新居の片付けは手つかず状態だが、そこまではやっていられない。子どもの方も、午後からは友達と会う約束があるというので、お昼に出発することにした。
　駐車場に行くときに、小銭の財布を家にある荷物に入れたまま行ったら、財布の中に１万円札しかなくて、料金が払えないことが分かった。仕方なく、ダイエーに入って、パン屋でパンを買ってお金を細かくした。
　最後の荷物を積み込んで、１２時半に出発。こういうときは、何となく名残惜しい。

　家から持ってきた勉強机を始末したいというので、その他、ガスレンジやちゃぶ台など、不要になるものを持って、ハードオフに行く。ところが、ちゃぶ台以外は引き取ってもらえない。近所に、リサイクルショップがあると聞いて、そこにも持って行ってみるが、やはり引き取ってもらえない。子どもがネットで調べて、引き取り業者に来てもらうことにした。
　その際、新しい家のガスの開栓の予約があったことを子どもが思い出した。今日開けてもらえないと困る。再度連絡を取るようにさせる。夕方来てもらえそうだと分かる。
　ニトリで、新しくしたい台所、お風呂用品などを買う。
　帰りに、ダイエーに寄った。駐車場が新しくコイン式になって、２４時間営業で最高５００円と分かる。ちょっと遠いけれど、ここに車を置くことにする。夕食用に、おかずを買って帰る。
　午後、不要品引き取り業者が来る。驚いたのはその値段。机が５０００円、ガスレンジが１５００円、基本料金が１５００円、消費税で、しめて８４００円。仕方ないから支払ったけど、これじゃあ、不法投棄がなくならないわけだ。そして、よくよく考えてみたら、車に積んで持ち帰って、富山で処分する方が絶対安上がりだったと思う。積もうと思えば、車に積んで帰ることは十分に可能だったと思う。
　夕食の後、新しい家のトイレの棚が高い位置で不便なので、突っ張り棒式の棚があるといいな、台所の区切りにかけていたのれんを使おうと思ったら、新しいところの幅が狭くて今までの棒が使えないことも分かって、再度ニトリへ行って来る。車があればこそのことである。小物を整理する棚のようなものが欲しかったが、大きかったりごつかったりして思うようなものがなかったので、これはあきらめた。
　新しい部屋がごちゃごちゃなので、子どもは、新しい家のベッドで寝て、自分は、古い方の家の部屋で寝た。ついでに、台所や窓枠を掃除する。シャワーを浴びたので、昼間子どもが掃除し終わった風呂場を改めて掃除する。