みさと村だより

　以前話題になった映画である。
　ロード・オブ・ザ・リングスの上を行くという触れ込みだった。
　関心をもっていたのだが、いつか見ようと思いつつ、なかなかまとまった時間がなく、見られずにいた。

　今週末、心底疲れたと感じ、思い切って休養をとろうとDVDを見ることにした。そこで、気持ちよく楽しめそうなこの作品を選んだ。
　さて、結果だが、特撮のすごさは感心したが、ストリーの陳腐さにはがっかりである。いつものパターンというか、突然、すごい力を得た少年がいて、そのそばに、かつての英雄だが今は落ちぶれている勇者がいて、少年の出現に刺激されて、再び立ち上がろうとする。ところが、いいところで、少年が若さゆえの無謀な思い上がりで失敗を犯し、そのために大切な人を失う。少年は、その苦々しさをかみしめて再び立ち上がり、目的を達するというパターンである。アメリカドラマによくありがちな話の進展なのだ。
　途中から、どうせそうなるさと思って見ていたら、その通りになったのでがっかりした。エンディングでは、続編がありそうな感じだったが、さて、続編に期待はできそうにないなあ。そう考えると、ロード・オブ・ザ・リングスは偉大だね。

　最近古典を読むようになったと言っていたら、子供たちに古典を紹介する仕事をいただいた。
　うれしい反面、これは大変だ。
　本にまとめるとのことで、紹介する作品数にかなり制限がある。制作にかける時間もかなり少ない。とりあえず、何を紹介したらよいかしばらく悩むことにする。

　最近、古典を読むのがおもしろいと感じている。
　きっかけは、２月、いじめ事件のことで苦しい立場になった時に、心を落ち着けるために万葉集を読んでいたことから始まる。
　それに、「ちりとてちん」（どうも視聴率は悪かったらしいが、我が家では、久々に録画してまで見たい朝ドラだった。つれづれ亭という命名が徒然草を連想。）が重なって、ふと、「そういえば、徒然草ってまともに読んだことないなあ」と思った。
　早速書店で岩波文庫を買ってきたが、そうそう楽に読めるものではなく、寝る前などに少しずつ読んで、ついに読み切った。高校時代、古文の教科書や、補助テキストに載っていて、大学でも古典の単位があったので、いくつか読んだことがあったことに改めて気づいたが、初めて出会う話も多く、なかなかおもしろかった。
　そうこうしていると、高校生の子供が学校の宿題とかで、徒然草を読んでいたりする。あの時代は、かえっていろいろなものを一度に教えられて、じっくりと一つのものを読もうとは考えられなかったものである。
　源氏物語は、現代語訳のものでさえややこしくて挫折したので、今度は枕草子を読んでみようかと思う。いや、その前に、平家物語も読んでみたいと思っている。
　さて、どうなりますか、

　朝、通勤時にいつも出会う小学生の姉妹がいる。
　地区の小学校ではないところに通っていて、地区の子供たちの通学時間より早く反対方向に通学している。
　学年は分からないが、４年間、ほぼ毎日出会うから、４年前は、２人とも低学年だったのだろう。そして、そろそろ姉の方は卒業学年なのではないかなと思う。
　ただ、通りすぎて様子を見るだけなのだが、日によって２人の距離感が違っていたり、どちらかがリュックを背負っていて、遠足らしかったり、一人で歩いていることがあったりと、なかなかおもしろいのだ。
　その様子を見るうちに、ふと、自分が小学生の時に、弟と学校に通っていたことを懐かしく思い出してしまうことがあり、興味深いのである。

　宴会は実は好きでない。特に、飲んでここぞとばかり愚痴や文句を言う人は、一緒にいたくないのだ。
　しかし、今日は、もう少し深い感想を抱く飲み会だったと思う。みさと村の子どもを見つめ直してみる機会でもあった。よい交わりの機会になった。
　ちょっと飲み過ぎたとは思うが。

　しばらく良い天気が続いていたのに、先週は、急に涼しくなって、日差しは強いけど、風は涼しい爽やかな日だった。
　準備の時間がほとんどなかったにもかかわらず、子供たちはよく頑張って活動したね。感心感心！

　一日延びた運動会予行、今日は実施されたが、グラウンドにはかなりの水たまりがあり、その水を掻き出して、吸い取って、砂を入れて、ならしてと、朝から大仕事であった。
　そこまでしてようやく用意したグラウンドだが、日中の強い日差しで、昼ごろにはからからに乾いてしまった。太陽の力はすごい。
　さて、予行の方だが、なんやかやで、時間が予定より長引いて、お昼を食べ始めるのが少し遅くなってしまうほどだった。

　今日の練習を生かして、運動会当日は、スムーズに運営できるといいなあ。と思う。

　楽しみにしていたのに、残念。
　冷たい雨の降り続くグラウンドを眺めながら、みさと村は、一日けだるい雰囲気が漂っていた。

　愛鳥週間の恒例行事で、ツバメ調査というのがある。
　子供たちが、それぞれ担当の町を決めて、ツバメの生息数や巣の数を調査する。
　本当は、５月１０日が調査日になっているのだが、土曜日のため、今年は、公式には、１２日の月曜日が調査日に指定されていた。しかし、みさと村では、１２日は都合が悪いと言うことで、今日９日が調査日に決まった。
　少し早めに家に帰って、グループごとに集まって調査するのだが、みさと村は広いので、子供の住んでいない町がある。そういうところは、隣接する町の子供を振り分けてグループを作り、調査をお願いする。それでも、隣接する町内にも子供がいなかったり、ごく少人数の場合がある。そこで、元気な子供に少し遠出をお願いすることになる。
　そんなグループの一つに付き合って、調査を見守ることにした。
　ところが、あいにくの強風である。ツバメが飛び交う姿がほとんど見られない。田園に散在する家を見回るのだが、途中からは、ただのサイクリングになってしまっていた。
　全部で１０グループに分かれて調査していたが、４時半までに調査を終わって連絡することになっていて、ほぼその頃までには、無事終了の連絡があった。

　毎朝通る地下道がある。ＪＲの線路の下を通っているのだが、旧国鉄の操車場跡で今は新幹線工事をしている片側交互通行のかなり長い地下道である。
　片側交互通行なので、待ち時間がかなり長いが、その分信号の長さも長く、一度にどっと通行できるのが魅力である。
　さて、今朝行くと、ちょうど向こうからの車が来たところで、間もなく信号が変わる瞬間だった。ラッキーと思ったのだが、ちょうど向こうから来るトラックが妙にハンドルを切って出てきたので、変なことをするなと思った。
　その原因は、間もなく分かった。わたしは３台目に待っていたのだが、地下道に入って間もなく、先頭の車が止まってしまった。そして、壁ぎりぎりにミラーをこするようにして進んでいった。その時に、原因が分かったのである。車一台が通れる両側壁の車道のほぼ中央を、長いひもを引きずった大型犬がのしのしと歩いていたのである。わたしの車もそれなりに大きいので、犬の体に車体をすりつけるように通ろうとするのだが、タイヤがひもを踏んでいるのか、犬はなかなか端によろうとしない。ようやくの思いで、地下道を抜けると、ちょうど反対側からの車が進入してくるところで、危うくぶつかりそうになった。
　わたしの後にも何台も車がいたので、「彼らはどうするのだろう。そうこうするうちに、両側から車が詰まって大変なことになっただろうな」と思った。
　犬を見た時点で、警察に連絡すればよかったと気付いたのは、みさと村に着いてからだった。

　連休最後の日、新川育成牧場へ行く。今回は家族連れ。
　昨日までフェスティバルをしていたので、今日は人でも少なかろうと踏んで行ったのだが、案の定、駐車場はゆとりがあってうれしかった。
　その代わりというべきか、牧場の方も人手が足りなさそうで、お目当ての牛串が豚串に変わっていたり、人気のアイスクリームを買うために長い行列になったりと、けっしてスムーズとは言えない状態だった。
　豚串とソフトクリームは、期待通りおいしかった。
　それでも、気持ちのよい風を受け、海までの見晴らしのよさを味わって、心地のよいひとときを過ごすことができた。
　牧場の動物たちは、ポニー、山羊、豚、牛を見ることができた。

　用事で市役所に来たついでに、展望台に登ってみた。折しも雨が降り始めていたが、景色は案外よく見えた。

　結局、人出は多いし、時間は限られているし、お買い物とお酒が目的そのものだったような気がする。
　それもまたよしとしたい。

　帰りの電車の便が悪く、特急で帰ることにした。1時か3時ということで、1時の便をえらぶ。
　特急は少し高いけど、ゆっくり寝ていけるのが魅力だ。さすがに昼間の電車なのですいていた。と思っているうちに寝てしまい、飛騨古川で慌てて降りそうになった。恥ずかしい。

　せっかく来たんだから、ゆっくり楽しもうと思ったけど、帰りの電車の関係で時間ぎれアウト。残念。

　そもそも高山に来たのは、おいしい牛串とビールが飲みたかったからだ。
　駅から最初に向かったのは、高山陣屋。その脇の屋台で、牛串とビールのセットで1000円というのをいただいてしまった。串はよかったが、ビールはいまいち。いまいちだが量はきちんとあって、しっかりアルコールが効いてきた。
　その後、宮川沿いに散策。もうすぐで、地ビールが飲める屋台があったというところで、何となく酒屋さんの看板に誘われて、日本酒を飲んだ。これがまた、味はそこそこおいしかったが、量が多かった。
　その後で、お目当ての地ビールを飲んだら感動が薄れてしまった。作戦失敗。
ついでに、そこの牛串は、たれが強烈でそれなりにおいしかったが、値段も高かった。

　いかにも高山に観光に行きますって感じの、家族連れ、中高生風のグループ、年配のカップルなど、急に乗客が増えた。
　となりにすわった、元気いっぱいの女の子たちが、天井の扇風機を回した。こんなものがあったとは。ついでに、その子達の手に握られていたのは、230円の切符、高山まではそんなに安いのだろうか。

　電車の中で星五村の子どもを見かけた。確か、情緒障害のある子供だったが、両親にはさまれて、静かに座っていたので感心した。
　そういえば、転校したと聞いたような気がする。

　子どもの日、どこかへ出かけたくて、家族にからかわれながら高山へ出かけた。
　車ではなく電車で出かけたのは、ゆっくりしたかったのと、美味しいお酒をのみたかったからだ。
　特急もあるが、特急券1000円がもったいなくて、普通車で行く。そのために、猪谷で乗り換える。なんで直通便を置かないのだろう。疑問だ。もしかしたら、鉄道会社分割民営化のせいか？それとも、土砂崩れ事故で長らく不通になっている間にそうなってしまったのか。