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2021年11月09日

バースト後1か月余の29p

11月第1週は異例の好天続きで昼夜連続しての天体観察となり(即時性の高い太陽観察結果を優先しているため)夜間観察の処理が遅れアップできないでいた。11月中旬を控え、今秋以降の夜間観察結果をアップする機会が多くなりそうな気配ではある。/ということで、比較的ニュース性の高い対象から。(実は昨日の「金星食」もその1つ)
-----【1】☆彡29P/Schwassmann-Wachmann 1☆彡-----
9月25日に大きなバーストを起こして10.0等まで明るくなり、その後徐々に光度を落としつつあるが、同彗星の中心部が一様ではなく北側に瘤のように飛び出た箇所があり歪になっているとの情報を得た。既にバーストから1か月以上経過しているが現状を確かめたくて、11/5深夜、望遠鏡を同彗星に向けてみた。
↓29P/Schwassmann-Wachmann 1の正方トリミング画像↓

彗星中心部が淡い風船に包まれているような気がする。
↓同、中心部×3Drizzle拡大像↓

明らかに核近傍上(北)側に瘤のような突起がある。
↓120秒露光1枚画像JPEG撮って出し↓

1枚画像でも上(北)側への突出や淡い風船に包まれているのが見て取れる。
↓撮影中のステラショット画面ハードコピー像↓

全体で、90秒露光10枚+120秒露光18枚≒50余分の時間をかけており、かつ、彗星基準でスタックしているが、背景の星がごく僅か動いているだけで、言い換えれば彗星自体の運動がとても小さいことが判る。
【データ】2021年11月6日2時54分(JST)〜(90秒10枚120秒18枚、彗星基準スタック)/EOSkissM(HKIR),ISO3200,RAW)/C11,0.75RC(fl=2100mm)/NJP赤道儀SS-oneガイド@自宅星見台HANA
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「バースト」といえば14年前(2007年)秋のホームズ彗星が真っ先に思い浮かぶ。↓(2007年11月10日のホームズ彗星)↓
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アウトバーストによって見かけ上は月とほぼ同じ大きさに膨らんだ。>実際は月よりも遥かに離れた箇所に居たのでメチャクチャ大きく膨らんだことになる。
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既に地球から1.6天文単位(つまり地球−太陽間の1.6倍)以上離れているにもかかわらず、見かけ上は月ほどの大きさ。>見かけ上、月と太陽はほぼ同じ大きさ(角度にして約30分=0.5度)。ということは、太陽よりも1.6倍以上離れているにもかかわらず太陽並みに見える=実際には太陽よりも大きく膨らんでいる(太陽の約1.6倍)ということになる。
ホームズ彗星は前回の接近でもバーストを起こしたそうだが、今回の40万倍急増光バーストは、まさに異常バーストだったと言えそう。
【データ】2007年11月17日19時頃(月面撮影)/24時過ぎ(彗星撮影)/ペンタックス105EDHF屈折直焦点(fl=700mm)/EOS20D(ISO200=月面、ISO1600=彗星、RAW)/1/125秒×4枚加算平均=月面/60秒〜90秒露光×9枚加算平均=彗星/
EM-10赤道儀ノータッチガイド
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<龍吉>!(^^)!ホームズ彗星には叶わないが、ミニ版ホームズ彗星のような気がした。(^_-)-☆
<はな>=^_^=14年前というとオイラが生まれる3年前ニャリ。ホームズ彗星がら14年も経ったんだニャー≡^・.・^≡
<ソラ>U.゚ω゚U見ようによっては風船ガムみたい。細長い尾をたなびかせるだけでないことが分かったワン▽・。・▽

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投稿者:龍吉at 22:34| 彗星・流星 | コメント(0)

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