M3球状星団
[M13]2004年4月18日02時24分〜02時32分頃/改造EOS kiss_Dボディ(ISO800)
BORG製12.5ED屈折直焦点+同社×0.85RC使用(f=680mm)
高橋製NJP赤道儀+STVによるオートガイド
ヘラクレス座のM13が有名なのはM3よりも明るく大きいこともあるが、春から夏にかけて
日本では大変見やすい位置にあるからだろうと思う。
私がM3を何故イチ押しにしている理由は..↓(下に続く)
実は、学生時代に岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡(当時は日本最大口径)でこのM3を見た時の記憶が非常に強いからである。
岡山へは、球状星団の研究をしていた教官に連れられて同行し、約1週間滞在した。当時は東京天文台管轄であったと思う。
筒の直径2m超、長さ10mの巨大な反射望遠鏡は4階建てビルに相当するドームに収められていた。
M3は、(カセグレン焦点もあるが)ニュートン焦点での観測=撮影。私たち学生の仕事は、
1)コダック天体用写真乾板を暗室で取枠サイズに合わせてガラス切りで切断し取枠に入れてニュートン焦点位置で待っている教官に届ける。
2)撮り終わった乾板を受け取り、暗室に戻って現像する。
であった。
暗室は建物下の一角にあり、そこから暗闇の中をドームの壁に沿って作られた建築足場用と変わらぬ階段(手すりが無い箇所もある)を10m高のニュートン焦点位置まで上り下りした。
まぁ、若かったのと、真っ暗だったからできたようなものだ。真っ暗な中でのガラス切りもこの時初めて体験した。
おかげで↑これ以来、手探りで紙などの裏表が判断できるようになった。(笑)
さて、ニュートン焦点位置まで上って乾板を届けた時、『ちょっと、除いてご覧..』と言われて見たのが、このM3だったのだ。
それは強烈だった。まさに天然の大ミラーボール=何故か立体的に見えた。今でも脳裏に焼き付いている大切な思い出だ。
それから、この188cm反射鏡によるガイド撮影を体験した。
写真乾板横に暗視野照明入り接眼鏡が取り付けられており、写真乾板ごとX-Y修正してガイドする方式だった。
ニュートン焦点とは言っても10mほどの超長焦点。ガイドスターが非常に淡く暗かったためガイド開始直後の位置を途中で見誤ったらしく、出来上がった写真は見事なダブルスターオンパレード状態だった!(苦笑)
↑教官は「研究には差し支えない」と慰めてくれたが..
岡山の188cm望遠鏡は英国グラッブパーソンズ製。
例のロールスロイス等、職人の国らしく望遠鏡制御装置類も全てアナログ式であったが極めて正確にコントロールされていた。
光学製品はドイツや日本製が優秀と思われがちだが、こと望遠鏡に関して言えば英国製が一番ではないかと思う。
#↑英国製というと、オライオンがそうでなかったかな..??
投稿者:Ken28at 14:32| 星雲・星団 | コメント(0) | トラックバック(0)