<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2005年03月12日

土星

観察会で一番受けがよいのが=土星(の輪)←夕方暗くなる頃には西空に見える。
土星1土星2
この画像は2年前の秋に撮ったもの。探査衛星ボイジャーやホイヘンスで話題になった。
小口径望遠鏡でもこの程度(実際にはもっと小さいですが)に見えるはず..。
写真集で見るようなダイナミックな輪っかを期待しているとがっくりする。
しかし、実際に望遠鏡で見ると感激もひとしお..天文台へ行けば見せてもらえる。
#↑家電店やDIY店で売っているちゃちな望遠鏡では保証できない。

【望遠鏡の性能は、倍率ではなく対物レンズの口径で決まる】

観望会で土星や木星を見せると、↓こんな質問が必ず来る。
『これ、何倍ですか?』『望遠鏡を買いたい。何倍の望遠鏡がいいですか..』

望遠鏡の性能は倍率で決まる、と勘違いしている人の如何に多いことか..

対物レンズの口径で性能が決まる2つの理由
1)口径が大きいほどたくさん光を集めることが出来る=暗い星まで見える。
2)口径が大きいほど分解能が上がる=細かな部分がよく見える。

小口径望遠鏡で無理に倍率を高くしても、
1)の理由から=視野が非常に暗く見づらくなる
2)の理由から=ぼやけるだけで細部が見えない

一般に望遠鏡の適正倍率の限度は、
対物レンズの口径(単位mm)×2倍程度と覚えておくと良い。
例:口径5cm=50mm×2=100倍/口径10cm=100mm×2=200倍

望遠鏡を置いてある店で、商品説明札に
・倍率だけでなく対物レンズ口径が書いてあるか?確かめる。
・適正倍率限度を度外視した倍率を表示しているようなものは避ける。

倍率を高くすることによるメリットとデメリット
○細かな部分が見やすくなる←ただし、適正倍率限度内において
×視野が暗くなる、狭くなる
△天体の日周運動量もかけた倍率の分だけ拡大される=視野からどんどん逃げていく

結論?天文や望遠鏡に詳しい人か天文台に尋ねられるのがよろしいかと...

投稿者:Ken28at 11:17| 太陽系・月 | コメント(5) | トラックバック(0)

◆この記事へのトラックバックURL:

http://control.onair-blog.jp/util/tb.php?us_no=1061&bl_id=1061&et_id=2209

◆この記事へのコメント:

学芸、研究に席を置いている「のむさん」です。
昔、子供用に買った200倍?の望遠鏡で土星を見たことがあります。
でも、写真のようには見えませんでしたね。
ぼんやりした「ブタの鼻」の様でがっかりしたものです。
何事も楽しめる域に到達するには、それなりの投資が必要のようですね。
時々覗きにきますのでよろしくお願い致します。

投稿者:のむさん: at 2005/03/12 12:19

のむさん様、初めまして。コメント有り難うございます。
現在、土星は晩秋〜春に見えているのですが、この時期の
北陸地方はの天候は最悪ですし、晴れていてもジェット気流が
強いため観察には適さず、結局、ここ数年観望会で土星に登場
してもらう機会もないままです。
>..それなりの投資が必要..
近くの天文台かアアチュア天文家に見せてもらうという方法があります。
望遠鏡は、現行一流品は10万円以上覚悟?ですが、一流品でなければ見え
ないか?ということでもなく二流品でもちゃんとした品であれば輪っかは
見えます。ただ、どこが一流でどれが二流?という区別が問題。
10万はとても..ですよね。でも数万円は必要ですね。それ以下は、
はっきり言って金を捨てるようなもの..星への興味も失います。
店頭で見かける製品は短い鏡筒が多いですが、これには手を出さぬこと。
#昔ながらの筒の長い屈折望遠鏡ならばそれなりに見えるはずです。

投稿者:Ken28
Ken28
URL at 2005/03/12 17:05

綺麗に撮れていますね。
確か小学生の頃に学校の共同購入で買ってもらった望遠鏡も箱に「〜倍望遠鏡」とか大きく書かれていたような気がします。その望遠鏡で見た土星ははっきりしない小さな点のような印象だったのを覚えています。^^;

先月ネット仲間と観望会をしまして、ネット仲間が持ってきていたロシア製レフレックスレンズにアイピースを付けて土星を見せてくれました。
小さいながらもちゃんと輪が見えて視野に浮かんでいるのはとても不思議な感じがしますね。いつだったかどこかのお土産でもらった星の砂を初めて見たときのように・・久々に感動しました。

投稿者:Fuuma-mfuk: at 2005/03/12 23:24

確かに、月面とか土星は家族とかに見せても受けが良いですね。

実は私も今使っている13cm反射の前に買ったのは、何かと引き合いに出されるK社の60mm F7の屈折でした。(笑)
(以下、決してこの手の製品を薦めているわけではありませんので、誤解なきように ^^; )
内容としては説明書もそれなりに判り易く出来ていましたし、望遠鏡そのものも付属のアイピースで適正倍率の範囲で(バローレンズを使わずに)見る限りでは「それなり」です。月面はもちろん、土星の輪も木星の衛星もちゃんと確認できました。付属の三脚架台だけは、どうにもならずに手持ちの写真三脚を使いましたが・・・。

この手の望遠鏡の問題は、製品の品質もさることながら売る側の姿勢が一番大きいと思います。本来であれば、さらに高性能な商品の購買へ顧客を誘導するのが商売としても正しいと思うんですけどね。無意味な倍率表示によって新規入門者の芽を摘んでしまっている、というのは本当に残念なことだと思います。

投稿者:ichURL at 2005/03/13 07:49

Fuuma-mfuk様
ロシア製レフレックス..ということはマクストフ望遠鏡ですね。
コンパクトな割にきちんと真面目に作られているのではないでしょうか?
私に言わせれば、土星の輪が見えないようでは天体望遠鏡でない!ですね。二流品でもせめて土星の輪が見えなければいけないと思います。

学校共同購入の望遠鏡(確かミ○オン光学製?)が家にもありまして、口径6cmアクロマートだったと思います。
我が家のは小さいながらも土星の輪がちゃんと見えました。軽くて小学生でもひょいと持ち出せるのが美点。
ただ、架台があまりにも貧弱=倍率は100倍なんてとても無理。狭い視野に入れるのに一苦労=すぐにまた視野から逃げてしまう。
そこら辺りをメーカーも心得ているらしく?アイピースは40倍ほどの中庸なのが付いていたような..?
#40倍でもホントに小さな土星がちゃんと見えたので感動?!
実は、皆既日食の(内部コロナ)眼視観察用に持参しました。←理由は、とにかく軽かったから..

はは、昔の話です..今はどうなんだろうか?

ich様、仰る通り、初心者用=いい加減なものでよし、という風潮がありますね。そうじゃないだろうに..

どうせすぐに飽きる=高いのはもったいない=安物でよい、という図式が販売側にも購入者(親)側にもあるようですね。
そして、相変わらずの倍率至上主義?=かつては良心的な表示をしているメーカーもあったと思うが..
↑だから、『この望遠鏡は何倍ですか?』と、なるんでしょうね。

私の初めての望遠鏡はコルの組み立てキット、5cm単レンズ紙筒式。三脚はなく、竹で自作しました。
竹がしなって望遠鏡ふらふら..色収差がまともに出て恒星は派手な着色..どうして星が大きく見えないのか不思議だった?(爆)

月のクレータと木星・ガリレオ衛星、三日月状の金星..等々。

今からすると悲惨な像だったのに間違いないが、そこは自分が作った望遠鏡故、飽きることはなかったですね。(感傷)

投稿者:Ken28URL at 2005/03/13 13:14

※必須