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2009年08月08日

安宅の関

 こんなに有名な安宅の関に、実は一度も立ち寄ったことがなかった。
 高速道路の脇にモニュメントがあって、そこなんだろうなと誤解していたのである。
 行ってみると、住吉神社というのがでーんと構えている。きっとこの境内にあるんだろうなと思って、駐車場に車を停めて、まっすぐな参道を登っていった。結果的には、安宅の関跡は、その脇の道をさらに進んだところにあったのである。
 住吉神社では、いかにも参拝客を待ち受けているかのような雰囲気を感じた。とはいえ、すでに5時を少し過ぎて、仕舞いにかかろうかという雰囲気も感じられた。本殿向かって右に、大きな弁慶の像があった。ちょっと天狗のような感じで、イメージと違う。そこに、勧進帳の文章があったのでちょっと読んでいたら、拝殿のきれいな巫女のお姉さんに声をかけられた。説明をするから上がりませんかと言われて、ついつい美人の言うことを聞いてしまった。錦絵はどうでもよいのだが、弁慶が語った嘘の勧進帳を、後に東大寺のお坊さんが伝え聞いて、本当の勧進帳の形にして書き送ったという文章には目をひかれた。残念ながら原文を読む力はないが、さっき弁慶の銅像のところで読んでいたものだと言われて、何となく最初の数行は分かった。
 巫女のお姉さんの本業は、お守りやお札を売ることなのだが、そっちは、残念ながら買うわけにはいかないので断って、でも、何となく気まずいので、これまたするわけにはいかないのだが、お賽銭を100円入れて、お参りはせずに神社を後にした。本殿右の細道を下ったところに安宅の関跡があるという。
 行ってみると、今は跡形もなく、ただ囲われた中に標柱が立っているだけだった。そして、有名な弁慶、富樫、義経の銅像は、その下に、海に向かって立っていた。それぞれの写真を撮って、何となく満足した次第。その脇の方に、義経と富樫をまつった二つの小さな祠があった。
 その先は海水浴場で、若者たちがじゃれながら帰り支度をしていた。ちょっとしゃれた店があったが、客はもういなかった。








投稿者:at Sushiat 17:49| 日記 | コメント(0)

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