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2008年08月17日

パフィーム

 最近話題のポップグループではない、「ある人殺しの物語」という副題の付いた映画である。公開時には、最後の集団性行為が話題になっていたような記憶があった。
 しかし、映画の始まりは大変暗く、処刑に至る場面から始まり、主人公の誕生から成長の過程をたどる。ナレーションによって話が進行するのである。
 主人公を産み落とした母親が、赤ん坊が泣いたために、子供を産み捨てようとしていたことがばれて絞首刑になるというのは、日本ではないだろうなと思われて興味深かった。
 次々と若い女性を殺していって、最後に一番美しい娘を狙うのだが、3度失敗して、それでも結局目的を達してしまうところがすごい。家に忍び込んでも、本人に体臭がないので犬も反応しないのだが、それは有り得ないだろうと思われてた。
 有り得なさでは、彼の作った香水で、みんなが恍惚として、彼を崇めてしまうところが有り得なさの極みと思えた。
 それはそうと、アラン・リックマンである。厳格な父親にして、結局娘を奪われる悲しい父親であり、地元の名士、香水産業の中心人物を演じている。スネイブ先生のイメージが重なった。名優である。
 主人公は、不思議な展開で死刑は免れたが、ある意味ではそれ以上に悲しい結末になったと思う。存在がなかったということなのだから。
 そういえば、主人公に関わった人物が、次々と死んでいくというのも皮肉な展開である。

投稿者:at Sushiat 21:48| 日記 | コメント(0)

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