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2007年10月06日

はさがけの米は なぜおいしいのか

 おはようサタデー 中の人です。
「ガードレールはさがけ」の季節です。仕事移動中に見かけた風景

 写真のは正確には耐雪型のガードパイプで、高さがガードレールより高い110cmありはさがけにはもってこいです。
 普通のはさがけでは高さ方向にスタックするので雨にも強いのですが、単列なのでビニルハウスの横のあれをかけておられるようですね。
 道路管理者をやることもあるのでアハハと言って見ているのですが。ああ、長野県で木製の環境型ガードレールという馬鹿なことをしていたのを思い出したのでそのうち書きます。

 本題 はさがけした米はおいしいと言われますが、自然農法だから で終わってはいけませんよ。ちゃんと科学的な根拠があるのですから。ネットで調べればいろいろ出ますがまとめると
・胴割れが出にくい
 一般的な米の乾燥機は温風で強制的に乾かすものですから、米の表面と内部で乾燥率が不均一となり表面が引っ張られ割れてしまいます。
 そんなことは当然むかしから分かっているので丁寧に乾燥機の運転はするのですが熱源が普通は灯油ボイラーなのでどうしても過乾燥、ムラがでます。
 嗅覚の鋭い人は燃えた灯油のにおいが気になります。しかも新米ほど。
 また、割れた米が有為な量まじっているとどうしても食感が悪くなってしまいます。
 ハイテクでなんとかならんのかというと 「遠赤外線 乾燥機」で検索するといくつか出てきますよ。しかし、乾燥機の値段が・・・
・乾燥機は煮える
 乾燥機は熱風を吹き付けるので一度、米が煮えているのですよ。
 人間はデンプンを主なエネルギー源として摂取しているのに、穀物を生で食べることができない!なんという生物としての設計の悪さでしょう。
 そこで水を加えて加熱するとβデンプンがαデンプンになって唾液でも分解できるようになるのです。で、冷えるとβデンプンへともどります。
 さて乾燥機を経た米を炊飯するという行為は 一部の米のデンプンにとってβ→α→β→αという過程を経ることとなります。
 そして人間はなんと贅沢なことに一度目のα化と二度目のα化の区別がつくのです。食べてみてなんかうまくないと!

・米が育つ
 日本は台風が来ること、放っておくと頭が重くなること、などから早めの適当な時期に稲刈りをするのですが、はさがけの場合はしばらく稲として生きている(残酷)ので胚芽がちょっとやる気(アミラーゼ)を出してしまいます。
すると微妙な麦芽糖の甘みが出たりでなかったり。人の好きずきなのですが。

 じゃあなんでみんなはさがけしないの となるのですが、いっぺんはさの組み立てから稲刈り、はさがけまでやってみましょう。ものすごい重労働です。
 なのでコメ農家は自分で食べる分だけはさがけするのでした。カントリーに入らないのでごっちゃ米にならないし。 田んぼの横にガードレールあると便利ですね。
 そもそも日本人が普段食べている米は手間をかけすぎ、うますぎなところに本質的な問題があるような気がするのですが。
 たとえ話で言うとカップラーメンを人間国宝が削って作った吉野杉の割り箸で食べているようなかんじですね。(なんじゃそりゃ)
 割り箸については言いたいことがいっぱいあるのでまた別のエントリで。

投稿者:ながさきat 10:32| 日記 | コメント(0) | トラックバック(0)

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